Another Story / Ephemeral Serenade 05. ページ11
-Tokumaru Side-
長い眠りから醒めた日、
彼は約束通りすぐに連絡をくれて、今までにない優しい表情で頭を下げてくれた。
「お！！徳丸参上じゃーん！」
意識が戻って数日後、病室を訪れた俺を幾分か調子の良くなった彼女は、へらっと笑いながら迎え入れてくれた。
「具合、良さそうッスね。」
「おかげさまでね〜。」
見違えるほどに顔色の良くなった頬、再び光を宿すようになった目、ほんのり桜色に染まった唇。
それはきっと、ただ単に体調が戻ったことをあらわしているのではない。
「あのさ、、、」
「ん、？なんすか？」
「付き合うことになったよ。ちゃんと。」
以前より院内での距離が縮まった2人。
その距離は、傍から見ても分からないくらい。
言葉にするのなら、数ミリ程度のもの。
それでも俺は、いつのまにか気づいてしまっていた。
それほどに、今まで彼女の姿を目で追っていたのかもしれない。
「やっとくっついたんっすね。良かったじゃないすか。」
「うん、徳丸くんのおかげ。」
「、、、え？」
「って彼は言ってたよ。」
ねえ、何があったの？と首を傾ける彼女。
「それは、音羽先生と俺の内緒ですよ。」
貴方は、知らなくていい。
眠っていた間の、俺たちの会話も。
きっと吐き出すことのない、俺の気持ちも。
彼が流してくれた涙の意味だけ、知っていればいい。
貴方には、在るべき場所が、隣に立つべき人がいるから。
お見舞いに買ってきたチョコレートを渡して、病室をあとにする。
ひとつの恋が、終わりを告げる音がした。
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Ria(プロフ) - とても素敵なお話でした この後の2人がすごーく気になりますが(笑) (11月22日 8時) (
レス) @page47 id: b18326fb22 (このIDを非表示/違反報告)
mi(プロフ) - 琉愛（るあ）さん» 琉愛様→最後までご覧頂きありがとうございます…！楽しんでいただけたようで嬉しいです〜！ (9月20日 1時) (レス) id: 9001ca60a4 (このIDを非表示/違反報告)
琉愛（るあ）(プロフ) - 最高の作品でした！！！完結まで書いてくださりありがとうございます！執筆お疲れ様でした。本当に本当に最高の作品をありがとうございます！ (9月19日 21時) (レス) @page47 id: abb9ea5a9e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：mi | 作成日時：2023年8月2日 23時
