Terminal ⅱ (ページ6)

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｢A先生！！！！！｣

必死で呼びかけていたところに、タイミング良く喜多見チーフが到着する。

｢喜多見チーフ、、！！｣

｢骨盤動揺もあります。極めて危険な状態ですね。｣

彼の言葉に頷くと同時に、彼女が完全に意識を失い、モニターが音を立てる。

｢ショックです！！！！挿管します。音羽先生、輸液全開に！｣

｢骨盤からの出血が酷い。圧迫止血だけして、すぐにTO1に運びましょう。｣

｢お願いします、俺は左の緊張性気胸解除します。｣

｢俺も手伝う、指示してくれ。｣

ひとりの命を救うため、喜多見チーフ、千住さんと3人がかりで処置を行う。

すぐにほかのメンバーも到着し、名前を呼びかけながらTO1へと運ぶ。

｢思ったより出血あります。すぐに骨盤パッキングしましょう。｣

｢了解。俺は補助にまわります。MERと患者さんを命懸けで守ってくれたA先生を必ず救いましょう。もう誰も、死なせる訳には行きません。｣

喜多見チーフの言葉に、全員が力強く頷く。

黒煙を抜けるまで、あともう少しだ。