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-Otowa Side-
救護テントを飛び出し、無線のスイッチを入れる。
｢＿＿こちらMER音羽。私も建物内に入って救命活動にあたります。｣
｢＿＿危機管理対策室、了解。くれぐれも、、｣
ガシャーーーーーーン！！！！！
駒場室長の返事をかき消す衝撃音が耳に飛び込んできた。
と、同時に嫌な予感で頭が埋め尽くされる。
｢＿＿駒場だ。MERドクター、即応千住隊。建物内で何があった？｣
｢＿＿こちら喜多見。バックヤードは特に問題ないようです。｣
｢＿＿千住です。音のした方へ様子を見に行きます、、、、1階エントランスですね。大規模な装飾が落下したようです。｣
｢＿＿！！！！？A先生は！！！？1階エントランスで救命活動に当たっていたはずです！｣
喜多見チーフのひと言に、聞いていた全員が声を漏らす。
｢＿＿MERA先生！聞こえたら応答してください！｣
繰り返される駒場さんの声に、彼女の返答は無い。
全身の血が逆流するような感覚。
どうして、いつも彼女なのだろう。
人の命を救いたいと誰よりも願う彼女が、どうして何度もこんな目に合うのだろう。
彼女の無事だけを願って、エントランスへ全速力で走る。
｢＿＿こちら即応千住隊。A先生を発見しました。意識朦朧としていて、橈骨微弱です。どなたか、、、｣
聞きたくなかった無線が、耳に流れてくると同時に、エントランスに足を踏み入れた。
｢A！！！！！！｣
大きな装飾に押しつぶされ、うつ伏せで倒れ込む彼女の姿が目に入り、思わず叫び声をあげる。
｢A！！！おい！！！聞こえるか！！！？｣
彼女の横に座り込み、必死で声をかけ続けながらモニターをつける。
｢、、、、尚、、！｣
まだ僅かながら意識があることに一安心する。
｢やっぱり、、尚は、、わたしの、、ヒーロー、、だ、ね！！！｣
｢お願いだ、今は静かにしてて。｣
苦しそうな表情で話す彼女を制して、無線に呼びかける。
｢＿＿血圧70の40、SpO2 90切ってます。頸静脈怒張あり、左の呼吸音弱いです。恐らく緊張性気胸、、、、｣
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作者名：mi | 作成日時：2023年6月25日 23時
