Terminal ⅱ (ページ33)

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After story 10. ページ33

-Otowa Side-

目を覚ますと、そこはもう見慣れてしまった東京海浜病院の病室だった。

「尚、、、？大丈夫、、？」

隣のベッドに横たわっていた彼女が心配そうな顔でこちらに近づく。

「うん。大丈夫。」

「よかった。もし目を覚まさなかったらどうしようかと、、。」

「Aは寂しがり屋だから。Aより先には死なないよ。」

「ふふ、よく分かってるね。」

「ごめん、せっかくの誕生日。いい思い出にしてあげられなくて。」

「尚のせいじゃないでしょ？何言ってるの。」

病室の壁にかけられた無機質な時計はまもなく日付が変わることを示していた。
安心して微笑む彼女を抱き寄せ、そっとキスをする。
僅かに離れた唇をもう一度重ねようとしたその時、病室のドアがガタンと大きな音を立てた。

-Tokumaru Side-

横浜への出動からの帰り道、意識を失った音羽先生とふらふらになりながらも彼を心配するA先生を連れ、TO1に乗り込む。

喜多見チーフと比奈先生の診断で経過観察入院となった2人を見送り、スタッフルームに残る俺とミンさんは大きくため息をついた。

「散々っスよねぇ、A先生。せっかくの誕生日なのに。」

「ほんとですヨネ～。すごく楽しみにしてたのに。可哀想デス。」

「A先生、一応意識はありましたよね。差し入れでも持っていきます？すぐそこのコンビニにケーキとかないっスか？？」

「ナイスアイデアです！いきましょう！」

時刻は23時半。
俺とミンさんは病院を飛び出した。