Terminal ⅱ (ページ26)

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After story 07. ページ26

-Your Side-

学生時代に一方的に別れを告げた彼。
よく考えたら今更あわせる顔なんてない。
怪我は順調に回復している、という伊織からの報告を受け、私自身は病室を訪れないようにして1週間経った。

思ったよりも早く作業が終わり、幸い患者の受け入れも少なかった今日は、久しぶりにMERのスタッフルームで昼食を摂ることにした。

歓迎してくれた他のメンバーと談笑しているところに、喜多見チーフが入ってきた。

「喜多見チーフ！お疲れ様です！」

「お、A先生。ちょうどいい所に。先生に会いたがってる患者さんがいらっしゃってますよ。」

「、、、どうも。」

喜多見チーフに車椅子を押され、やってきた彼の姿を見て私は言葉につまる。

「、、、神田さん。どうされました？主治医は赤羽先生ですよね。」

口を開くと、思ったよりも冷たい声が出てしまった自分に少し驚く。

「A。」

彼は私の名前を呼ぶ。

「え、A先生知り合いなんスか？」

私が徳丸くんの質問に答えるより先に、彼がまたしても口を開いた。

「いきなりすみません、僕は神田裕介と申します。彼女とは4年ほど前まで恋人でした。」

振られちゃったんですけどね、と言って笑う彼の表情は付き合っていた頃と全く変わっていなかった。

「なんで、俺の事避けるの？」

彼は私に向き直りそう続ける。

「わたしはもう裕介と話すこと何もないし、話すも資格ないよ。体調のことでなにか相談があるなら、私じゃなくて伊織に、、」

「俺は、話したいこと沢山あるよ。こんな形でもせっかく再会できたんだ。」

「でも、A先生は、、！」

恋人が居ます、きっとそう続けようとしてくれた比奈先生の言葉を隣にいた夏梅さんがそっと制する。