Terminal ⅱ (ページ22)

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After story 05. ページ22

-Natsume Side-

とある日のミーティング。

「私からの伝達事項は以上です。他に何かある方は？」

ミーティング終わり、音羽先生が私たちに意見を求める。

「あ、すみません。私からひとつ、相談させていただきたいことがあるのですが、、。」

おずおずと手を挙げたのはA先生だった。

「A先生？なにかありましたか？」

喜多見チーフの優しい言葉に彼女は小さく頷く。

「はい、MERの正式認可に伴ってセカンドドクターを任せて頂き、今は喜多見チーフと同じMER専任という形で勤務をしているんですけど、元々所属していた救命のスタッフリーダーの大崎先生が来週から産休に入るようで、、。他のドクターと研修医だけじゃ厳しいので、大崎先生が戻るまでまた兼任して貰えないか、と相談を受けました。」

「ということは、、？A先生は出動が無い時間はまた救命で働く、ということですか？」

比奈先生が少し不安そうに問いかけた。

「そう、なりますね。今まで私がMERで任されていた作業は引き続きやりますし、もちろん出動の際はMERの活動を最優先します。なにより、MERはもう比奈先生が私や喜多見チーフと変わらない処置をしてくださるかと思いますし、私が救命に戻ることで救われる命が増えるのなら、前向きなお返事をしたいなと考えています。皆さんは、いかがでしょうか、、、？」

「俺は、賛成です！」

真っ先に返事をしたのは喜多見チーフだった。

「A先生が居ることで、救われる命は少なくない。救命の先生方が引き戻したい気持ちも分かります。出動の際には今まで通りMERに参加してくれるなら、少しの間戻った方が多くの命を救えるんじゃないですかね。」

喜多見チーフの言葉に、冬木先生、ミンさん、徳丸くんも頷く。

「そうですね、A先生は優秀なドクターですし。ぜひ、救命でもたくさんの人を救ってください。」

「A先生、体調は気をつけてくださいネ！」

「寂しいッスけどね～出動の時は頼みますよ～！」

「まぁまぁ、居なくなる訳じゃないですもんね？兼任に戻るだけだし。私は応援します。」

彼女の意思ということなら、私も賛成する。

今よりもっとスーパードクターになっちゃいますね～なんて盛り上がる私たちに対し、比奈先生は終始不安そうな表情を浮かべていた。

「皆さんが賛成なら、それでいいでしょう。働くバランスは、ご自分で考えてくださいね。」

音羽先生は渋々頷き、スタッフルームを出ていった。