Terminal ⅱ (ページ17)

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After story 03. ページ17

-Hina Side-

17時20分。
定時を過ぎ、私は循環器外科の医局をあとにする。

手に持ったスマホには夏梅さんからのメッセージ。

〝A先生、15時過ぎに救命からコンサル受けてた。こっち来る前に迎えに行ってあげて。〟

時刻をちらっと確認して、救命の医局に顔を出すと、顔馴染みの看護師が声をかけてくれた。

「えーっと、A先生は、、？」

看護師の声かけで、事務処理に終われている彼女がこちらに気づく。

「あっ！比奈先生！待って！もう出るから！5分ちょうだい！！！」

パタパタとロッカールームに姿を消す彼女が愛おしく、なんだか音羽先生の気持ちが分かった気がした。

お待たせー、とすぐに出てくるA先生。
綺麗な形のワンピースに、先程まで結んでた髪を下ろした彼女。
びっくりするほど様になる、可愛くて素敵なお姉さん。
誰かと飲みに行くの久しぶりー！たのしみだね！なんて話しながら肩を並べて歩いた。

お店に入り、案内された個室にはMERメンバーが勢揃いしていた。

「おー！お疲れ様です！比奈先生、A先生！」

にこやかに笑う喜多見チーフは、既にお酒が入っているようだった。

今日はとことん飲む！！！と意気込んで娘さんをご両親に預けた夏梅さん、にこにこしながら私の手を引くミンさん、料理を取り分けみんなの写真を撮ってくれる冬木先生、ちゃっかりA先生の隣をキープする徳丸さん。

長くて賑やかで楽しい夜のはじまりだ。