Terminal ⅱ (ページ16)

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｢A先生って、家ではどんな感じなんすか！｣

ダメ元で思い切った質問を投げかけてみる。

｢、、、、あまりここにいる時と変わりません。幾分か肩の力が抜けているくらいですかね。｣

少し黙った後、彼はぼそっと呟いた。

しかし、その表情はいつもの何倍も柔らかい。
それだけで二人の関係性を表すには十分だった。

肩の力が抜けている、かぁ。
普段しっかりしてるA先生も、家では音羽先生に甘々なんだろうなぁ、とか勝手に妄想して勝手に赤面してしまう。

「ところで、冬木先生。奥様との記念日、などは大切にされていますか？」

珍しく彼が口を開く。しかも、らしくない質問を。

「ええ。最近は、息子を両親に預けて食事や旅行に行ったり、、何故そんな質問を？」

「来月末、彼女が誕生日なので。普段の感謝の気持ちも込めて、何かできればなと。」

「！！！！！？いいっすね！！協力しますよ！！！おれ！！！！」

「私もです。音羽先生のためです！！アイデアを出しあいましょう！」

A先生が欲しがってるもの、なんとなく探り入れてみますね！と意気込む俺と、お洒落なレストランや夜景スポットを検索しはじめる冬木先生。

「ありがとうございます。助かります。」

そんな俺たちを見て音羽先生は僅かに微笑み、開いていた仕事用のPCを閉じた。