Terminal ⅱ (ページ13)

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After story 01. ページ13

-Your Side-

午前8時45分。

雲ひとつない青空の下、私は東京海浜病院までの下り坂を猛ダッシュしていた。

6時半起床、諸々の家事と朝食、のんびり身支度を済ませ7時45分に自宅を出発。歩いて15分。8時半から救命の朝礼に参加、9時からMERの朝礼に参加。これが約半年前までの私のルーティーン。

彼と付き合い始めてからは、彼の家に泊まり込むことも多く、今ではほぼ自分の家には帰っていない。MERのセカンドドクター就任後は、救命にはコンサルで呼ばれる程度だから以前よりも朝の時間に余裕があるはず、なのに。

今朝の起床時刻は8時20分。

全部彼のせいだ。

無事病院に到着し、今にも閉まりそうなエレベーターのドアに滑り込む。
エレベーターの壁に寄りかかると、特有の気怠さと鈍い腰の痛みが襲ってくる。
思わず顔をしかめると同時に、扉が開いて誰かが乗り込んでくるのがわかった。

「おはようA先生、こんな時間にここに居るの珍しいわね。寝坊？」

「高輪先生！！！？おはようございます！」

そうなんですよ～起きたら家出る時間過ぎてて、と項垂れる私に

「ふーん、、、、首元、気をつけた方がいいよ」

と人差し指を押し当てる。

「え！！！！！！！！！？」

思わず高輪先生が触れた首元を確認するも、特に跡をつけられた形跡はない。

うっ、やられた。

顔をあげれば、にやにやした彼女がエレベーターを降りていくところだった。
相当甘やかされてるんだね～なんて言って手を振りながら。

気を取り直してスタッフルームへと足を踏み入れる。

「おはようございますっ！すみません！！」

時刻は始業1分前。ギリギリセーフ。
珍しいですね～なんて声をかけられながらミーティングが始まった。

ミンさんと、ERカー内の点検・資材の補充を済ませ、ひと息つこうと椅子を引く。

「そうだ！A先生！！！再来週の土曜、予定どうっすか？？」

「ん？土曜日？なにかあったっけ？」

「え！！！！？徳丸さん人の彼女をデートに誘ってるんですか！！！？」

徳丸くんの誘いに、比奈先生が大きく声をあげた。