Terminal ⅱ (ページ2)

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｢ひとりで行かせる訳にはいきません。｣

｢なんでここに。｣

もう一度ちゃんと顔を見たくて、でももう二度と見たくないとも想った彼が目の前に立っていた。

｢私はTOKYO MERのセカンドドクターだからです。これまでも。これからも。｣

｢、、、、！！？｣

｢正式認可されました。白金大臣も医師としての気持ちを思い出したようです。｣

彼の言葉に思わず目を見開く。

｢もう貴方を止めることは諦めた。俺も行く。2人で救おう。｣

官僚としてではない、医者としての彼の言葉に大きく頷き、差し出された手を取る。

そのとき、私たちのイヤホンマイクから比奈先生の声が鳴り響いた。

｢＿＿A先生、音羽先生！！！！！頭部外傷で赤タグの患者さんが急変しました！瞳孔不同も出ています！！！｣

｢＿＿血圧下がってます！下は測れません！！｣

続けて夏梅さんの声も届く。

｢音羽先生。｣

今日の現場チーフは私だ。
深く息を吸って彼と目を合わせる。

｢私は現場に入ります。比奈先生と、オペをお願いします。｣

｢約束してください、、、、｣

｢、、、、？｣

｢絶対に生きて戻ってきてください。｣

絞り出された彼の言葉と、今にも涙をこぼしそうな表情に思わず息を呑む。

｢必ず、再会を約束します。｣

繋いでいた手をぎゅっと強く握り、私は黒煙に包まれた建物へと走った。