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▽▽ ページ8

あのままカフェにでも行ければよかったが生憎時間がなく、事務所の近くの公園へと向かうことにした。

平日だということもあり子供はほとんどいない。

誰も座っていないベンチへと二人で腰を下ろす。

『……あの、さっきはありがとう、ございました』

消えいるように小さく震える声でお礼を伝えてくるこの人に笑いかける。

「いえ、勝手にしたことですので気にしないでください」

『本当に、怖くて、助けてくれて嬉しかった、です』

小さくはにかむように笑ったこの人に、なぜかたまらない気持ちになった。

なんて綺麗に笑う人なんだろう。

花が咲くように可憐に笑うこの人の笑顔をもっとみたいと思った。

そんなに下を向かないで、こっちをみて笑って。

なんてことを考えているとそっと話しかけられた。

『ぁの、その、お礼に何かしたいんですけど、』

「お礼ですか、なら一つお願いがあるのですが。名前、教えてくださいませんか?」

意外そうな顔をしたこの人は、今度こそこちらをみて笑ってくれた。

あぁ、なんて可愛らしいのだろうか。

可愛らしい人はこちらをみておずおずと名前を教えてくれる。

『名前、鈴中Aです』

「鈴中Aさんですか、いい名前ですね。私は加賀美ハヤトです。」

『加賀美、さん、名前、かっこいいですね』

口の中で確かめるように私の名前をよぶ鈴中さんに、思わず笑顔が溢れた。

なんだか小動物のようで庇護欲が湧く人だな。

握手でもしましょうか、なんて言って右手を差し出す。

こちらを見習って鈴中さんも右手を差し出してくれる。

鈴中さんの右腕が上がると、服の袖が捲れてほっそりとした手首が見えた。

と同時にアザのようなものが見えた。

咄嗟に鈴中さんの腕を掴んでしまう。

『痛っ、い』

「これ、さっき掴まれていたところですよね?手当てしないと」

あの男、あの場で見逃すだなんて甘いことをしなければよかったな。

それより近くの薬局に寄って湿布を買ってこよう。

この子の体にあの男が傷を残すだなんて絶対に許せない。

▽▽→←▽▽ 加賀美視点



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cPIE(プロフ) - ZerAさん» コメントありがとうございます!更新が遅くて申し訳ないです💦亀更新ではありますが少しずつ仕上げておりますので一緒に楽しんでいただけたら幸いです (2022年11月10日 15時) (レス) id: 52c3f36ca2 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - めちゃくちゃ面白いです、!!夢主の謎は深まるばかりで考察が止まりません!更新楽しみにしてます🤭 (2022年11月9日 20時) (レス) @page15 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
cPIE(プロフ) - Χさん» 応援ありがとうございます!頑張りますので今後も是非お付き合いください! (2022年9月3日 0時) (レス) id: 52c3f36ca2 (このIDを非表示/違反報告)
Χ(プロフ) - きっ、気になります更新頑張ってください!応援してます! (2022年9月2日 10時) (レス) @page10 id: fd72f115dc (このIDを非表示/違反報告)
PIEc(プロフ) - うゆさん» お返事が遅れて大変すみません💦これから一緒に主人公の謎をとけれていれば 嬉しいですこれからもよろしくお願いします! (2022年8月23日 10時) (レス) id: 8aa8dda526 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:cPIE | 作成日時:2022年8月13日 15時

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