▽▽ ページ13
あいつとAさんは何もかも違った。
同じなのは名前だけ。
あと、社長に向けていた笑顔とかびっくりすると固まるところとか……とにかく！気に食わないのだ。
何か、どこか、似ている。
いや、そんなはずはない。
そんなことを考えていると段々とイライラしてきた。
苛ついた感情に任せてあいつに暴言を吐いてしまったというわけだ。
今となっては反省しているし怯えさせてしまったことに罪悪感を感じている。
ほんの少し、それもほんの少しのちょっと彼女に似ていたというだけで酷いことをしてしまった。
社長にも迷惑をかけてしまったし謝らないといけない。
まだ話している最中だったところを邪魔してしまった。
僕抜きにしてあんなに楽しそうに何を話していたのだろうか。
僕が話しかけた途端に笑顔を引っ込めたしそんなに僕が怖いか。
どんどん思考が暗い方へと進んでいく。
いけないいけない。
彼女とあいつは別の人間だとさっき反省したばかりではないか。
なぜだかわからないが彼女とあいつを同一人物だと思い込んでいる自分に首を傾げる。
…それににしても華奢だったな。
大きめのパーカーを着ていたのに細さがわかるだなんてちゃんとご飯を食べているのだろうか。
僕が話しかけるたびにビクビクして弱々しかったし。
今度あったら謝罪を兼ねてご飯にさそってみようか。
それがいい、そうしよう。
「剣持さん？どうしました？」
相当深く考え込んでしまっていた。
心配したようにこちらを覗き込む社長に慌てて謝罪をする。
「すみません。少し考え事をしていて」
「いえ、落ち着いたようですしそろそろいきましょうか」
人が良い笑顔を浮かべて会議室へと先導してくれる社長は本当に出来た人だと改めて感じる。
僕ならあんなことをされたらブチギレている。
「社長、その、さっきのことは忘れてください」
「さっきのこと？剣持さんの最推しが鈴中Aさんだということですか？」
「それじゃなくて、」
「その前のことならもう忘れましたよ。最推しの話のことですよね？」
悪戯っぽくいう社長にこちらも思わず笑顔が出た。
「…ふふっ、はい、そのことです」
「了解です。誰にも漏らさず即座に忘れることを約束いたしましょう」
社長は重要任務だ、と言って力こぶを作った。
あいつの連絡先とか知っていたりするかな、後で聞いてみよう。
またあいつに会えたらあの笑顔を僕にも向けてくれるだろうか。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1014人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「2j3j」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
cPIE(プロフ) - ZerAさん» コメントありがとうございます！更新が遅くて申し訳ないです💦亀更新ではありますが少しずつ仕上げておりますので一緒に楽しんでいただけたら幸いです (2022年11月10日 15時) (
レス) id: 52c3f36ca2 (このIDを非表示/違反報告)
ZerA - めちゃくちゃ面白いです、！！夢主の謎は深まるばかりで考察が止まりません！更新楽しみにしてます🤭 (2022年11月9日 20時) (レス) @page15 id: e2320a25d7 (このIDを非表示/違反報告)
cPIE(プロフ) - Χさん» 応援ありがとうございます！頑張りますので今後も是非お付き合いください！ (2022年9月3日 0時) (レス) id: 52c3f36ca2 (このIDを非表示/違反報告)
Χ(プロフ) - きっ、気になります更新頑張ってください！応援してます！ (2022年9月2日 10時) (レス) @page10 id: fd72f115dc (このIDを非表示/違反報告)
PIEc(プロフ) - うゆさん» お返事が遅れて大変すみません💦これから一緒に主人公の謎をとけれていれば 嬉しいですこれからもよろしくお願いします！ (2022年8月23日 10時) (レス) id: 8aa8dda526 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：cPIE | 作成日時：2022年8月13日 15時
