また明日。《8》

♯385 ページ35

今なら、この流れなら言えるかも……
お食事会という名のお見合いの事
このチャンスを逃すと言えないと思った


A「あのね、話があるの」


陸「また誕プレ？(笑)」


A「ううん、もっと真剣で大切な話し」


陸「真剣………大切？…………え、何？」


そんな分かりやすくビビらないでよ
そっちの方が気になるし怖い


A「花火大会の日ね、私お見合いするの」


陸「…………お見合いってあのお見合い？」


A「うん」


陸「お見合いするのって……お見合いって結婚する為のあれだよね？」


A「……前に言ったでしょ？お寺を継ぐ人がいなくてって。で、会うだけでもって話が進んで｣


陸「それがどういうことか分かってる？」


A「もちろん断るよ？私は自分が好きになった人と結婚したいし」


陸「お見合いってさ……きっかけじゃん。それで出会って最後は結局恋愛するんだし」


A「そうかもしれないけど、私は全くそんな気は無いし、断ったけど、断りきれなくて」


陸「そこを断れないのに、会って話が進んだらもっと断れないじゃん……」


A「断るよ……説得するもん……」


陸「説得…………もうそれって決定なんだよね？」


A「……もうお店も予約してるらしくて」


陸「それを言われてさ、俺どうしたらいい？……もう決まってから言われたら、どうしようもないじゃん……」


A「……ごめん……言うのも悩んでたんだけど隠し事しないって約束したから」


陸「……ごめんちょっと頭の整理つかないわ……コンビニ行ってくる。先寝てていいよ」


A「陸くん……いいよ、私帰るから」


陸「いいって、寝てて」


A「無理でしょ陸くん……そんなにすぐに切り替えれないでしょ？タクシー呼ぶから大丈夫」


正直、私の求めていた言葉じゃなくて悲しかった

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