か れ し （ 仮 ）【Kn】

愛が16 ページ21

「でさー」

彼が楽しそうに喋っている。

無口で寡黙だと思われがちな彼だけど喋ってみたら楽しい人なんだ。

「あ。もうこんな時間」

「本当だな、そろそろ帰るか。送る」

「え、いや大丈夫だよ。家の方面真逆じゃん」

「お前に何かあったら怖いし、いいだろ？」

と流されて結局、家の近くまで送って貰うことになった。
途中、最近は行っていないあの公園が見えた。
碧君の顔が頭に浮かぶ。

(今頃何してるんだろうな)

なんて考えていると紫音が私の顔を覗いた。

「紫音…どうしたの？」

「いや何考えてるのかなって。てかスマイルでいい」

「スマイル」

「おう」

他愛もない会話をしていると、家の近くになった。
流石にここまででいいよ、と言いかけた時

私の腕が誰かによって引かれた。

「え？」

その主を見ると、碧君だった。

「碧…君…？」

「そうだよ。スマイル、この子がお世話になったな」

「お世話って…。お前彼氏かよ」

「いや違うけどね」

「ふぅん。まあいいや、A今日はありがとな」

「こちらこそ、楽しかった」

バイバイ、と手を振る。その間でも碧君は納得のいかない顔をしていた。

彼はスマイルが行ったのを確認すると、気まずそうに掴んでいた手を下ろした。

「ごめん…」

「いや大丈夫だよ。でもどうしてここに…」

「会いたくなっちゃった」

.

多忙につき更新が遅くなる為、貯めておいたものを2日おきくらいに出していく…かも。

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