か れ し （ 仮 ）【Kn】

愛が10 ページ12

お風呂に入ってる彼に、新しい着替えをと私は元彼が置いていったままのTシャツとズボンを脱衣場に置く。

お風呂から、一緒に入るの？と茶化す声が聞こえたが無視をする。

(お風呂上がったら悪いけど帰ってもらおう)

なんて思いリビングのソファに寝転がる。
遅く起きた筈なのに何だか眠い。

温かい部屋ですんなりと私の意識は落ちた。

.

「…Aちゃーん」

名前を呼ばれ目が覚めた。
目の前にはお風呂上がりの碧君がいる。

「ん、ごめんなさい寝てました」

「いやいや、大丈夫だよ。それよりも着替え、ありがとう」

なんて絶妙にダサい文字入りTシャツを彼は眺める。

「こんなの趣味だったの……？」

「へ、い、いやぁ…友達の物ですよ」

「ふぅん。俺の友達の趣味に似てる」

碧く君はケラケラと笑う。

(何だかペースに流されてる)

そろそろ帰って欲しいと口を開こうとした時、スマホの着信音が鳴り響いた。

碧く君のスマホらしく、彼は画面を見るなり、ああ…という顔をした。

「ごめん、友達からだ」

「出ていいですよ」

「本当？ありがとう」


彼は少し離れたところで電話をし始める。
何だか不思議な気分だ、私の家に男の人がいるなんて。

しかも結構顔がタイプの男。

爽やかで、優しくて、かっこいい。
でも彼氏になんかしたくはない。

私の心を動かす前に早く帰って

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