花嫁殺人事件 (ページ4)

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出会い～過去編～

片桐side

Aと出会ったのは商店街だった。
俺は喧嘩帰りで腹を空かせていた。
とりあえず視界に入った揚げ物屋へ足を運んだ。

『いらっしゃいませ～何にしますか？』

片「あ、あぁ…メンチ２つで」

『まいど～！』

これがAとの初めての会話で、初めての一目惚れだった。
それから週に2、3回Aがバイトしている揚げ物屋へ通いAと少し話をしていた。
客がいない時は店の前にある椅子に座ってAといつもより長く話をした。
そんなことを繰り返していたある日、俺は意を決して

片「なぁ、A」

『なに？』

突然名前を呼ばれてポカンとしているAに小さな紙切れを渡した。
Aは紙切れに書かれてある文を読むと目を丸くさせ俺の方を見つめてきた。

『こ、これって…！！』

片「俺ん家の…電話番号、もしよかったら今日の夜電話しないか？」

多分。いや確実に俺の顔は今真っ赤だろう。
そしてAの顔も俺と同じくらい真っ赤だった。

『あっ、あ、じゃあはい！これ！』

Aは店の奥から紙を持ってきて何か書いた後
俺に手渡してきた。
そこにはAの家の電話番号が書かれてあった。

片「いいのか？」

『うん、今日の夜電話かけるね！」

片「あぁ、待ってる。」

これ以上Aの隣にいると心臓がもたないと感じ
じゃあな、と言って俺は一足先に家に帰った。

＊・＊・＊・

片「ん………あ？…あ、電話！」

時刻は20時。いつの間にか寝てしまった。
寝てる間に電話が来てたのでは…自分から言っておいて爆睡してしまうとは！くそっ………
と、拳を握り締めた時ﾌﾟﾙﾙ…と電話が鳴った。
俺は急いでベッドから降り、電話の方へ走った。
途中自分の脱いだ服で滑りそうになったが、なんとか受話器を取った。

片「はい、片桐です。」

『あ、片桐くん！七瀬です！』

受話器の向こうから聞こえる明るく可愛い声に、自然と緊張してしまう

片「あ、あぁ七瀬か。」

Aの名前を呼んだ瞬間、Aに伝えなければいけないことを思い出した。

片「あのな、七瀬…」

『どうしたの？』

受話器の向こうにいるAに聞こえるんじゃないかと思うくらい心臓がバクバクしている。
俺は落ち着くために深呼吸をして言った。

片「俺と付き合ってくれないか」

『………へぇえ！？！？』

耳がキーンとなるほど叫び声を上げたA
まぁ確かに急に言われると驚くよな。