白雪と黒王子。

#1 ページ1

「スノーキャッスル…。」


「雪の城？」







インパクト大なこのフレーズは、
今日からお世話になる新しい家の名前




大阪から東京に上京してきて
一発目がこれってかなり衝撃的






『城』と付くぐらいまぁ大きな家で外観は真っ白




【スノーキャッスル】

そりゃこの名前になるのもわかる気がする









知らない場所だし、人通り少ないからこの辺のことを聞くにも聞けない





なんて思ってたらタイミングよくスマホに着信音

心配性の父からだ




「もしもーし」


「あ、A。無事に着いたか？」


「まぁ、地図通りに来たから大丈夫だったよ」




かなり心配そうな声がスマホ越しに聞こえてくる






「ねぇ、もう入るから切るよ？」


「あぁ、ごめん。じゃあな。」





意外にもあっさり切られたなぁ



にしても駅近で便利



都会の割には緑豊かな方だし
逆に緑の中に白い家って目立つのよ






「えぇ、これ入る勇気ないなぁ」





流石の外観に扉に向かう足取りも重くなる






「あぁ、どうしよう…。」







「この家に何か用なん？」





「えっ…」









家の前でウロウロしてたら背後から聞き慣れた関西弁





慌てて振り返るとどこかで見たことある顔








「えっと、あれ？！もしかして康二？」


「え？！Aやん！」


「康二なんで？！」


「いや、Aこそここに用あるんやろ？」


「いや、用もなにも…」


「そんな事ええから、とりあえず中入り！」








康二は私の手を引いてその家にズカズカと入って行った。









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