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「ああ?なんだお前え…」


男達は3人でその人に殴りかかろうとした。

「危な…っ」

瞬きをしている瞬間にもう、3人は倒れていた。



「気を失ってるだけだ。心配はない。君は大丈夫か?」

「は…はい…。ありがとうございます…」


その人はニコッと笑った。

優しく、あたたかい、そんな笑顔で少しだけ気持ちが楽になったような、そんな気がした。



「俺は煉獄杏寿郎。君の名はなんと言う?」

「観音Aです。」


「A、君の家は何処だ。送って行こう。」


家。
杏寿郎さんには申し訳がないが、私にはもう帰る家なんてない。


「家なんて無いです。全部、鬼に奪われてしまいましたから。」


鬼なんて言ってもきっと誰も信じてくれると思わない。私も、ただの都市伝説とでしか思っていなかった。


「うむ、分かった。なら俺のもうひとつ小さな屋敷があるからそこへ行こう。少し君と話がしたい。」

「え…信じてくれるんですか…」

「うむ、ほら行こう。」


杏寿郎さんは私をヒョイっと持ち上げ、その屋敷へ向かった。

私は無意識に杏寿郎さんの服をギュッと握って顔を埋めた。
お日様の様な優しい香りがした。

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作者名:なう | 作成日時:2021年1月27日 11時

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