甘い君 (ページ10)

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なんとも言えないこの体制……
治くんの身長から私をハグする完全に手が回るのはお腹でして……
コンプレックスのムチムチのひとつなんだよね。

『あのー治くんそろそろ離してくれん？』

治「あ、ごめんな。キモかったよな。」

『あ、いやそうじゃないんだけど……ありがとうね。』

……とまあ、ちょっと気まずい感じになりまして。
揶揄って来た人達はもう行こうぜとなんかどっかへ行き
それと同時に女子達が鋭い目でこちらを見ていた。
分かってますよ、すみませんね。でもこれに関しては不可抗力
みんな分かってくれるよね？

まあそれからというものの治くんのスキンシップが増え
部活中でも何故か私にくっついてくる。
夏も近いせいか、正直暑苦しいねんなー
別にこのお肉達をからかってくっついてくる訳じゃないし。
北さんには"仲ええなーええことやで"ってなんか褒められた←

『ねえ、なんでそんなにくっつくん？』

治「んー可愛いから。」

『は？何言うとん。そこら辺の細くてナイスバディーの子にしとき』

治「えー細いとか太いとか関係あらへんと思うけど。」

『いや、関係あるね。低身長デブはね関係あんねん。』

治「デブちゃうで、普通や普通。
アイツらが細すぎんねん人体模型やん、あ、骨格標本の方な」

『普通に失礼。治くんの感覚がズレてんねん。侑くん。』

なんやと近づく侑くんに一つ質問を投げかけた。
"(贔屓目なしで)一般的に見て私に体型1～10でどれ位の太さ？"
我ながら痛い質問したなー。
と思いつつもその質問をすると侑くんは
真顔で"8"とだけ答えて練習へ行った。
まあまあデブやってことやな、これが一般論やねん。

『ほら、これが普通なんだよ？治くんは』

治「んー俺は4やと思うけど。だって1～3はガリガリで
4～6が標準で7～10がぽっちゃりやろ？」

『まあ大体が？ぽっちゃりというかデブちゃうかな？』

治「世界見てみ？もっとでかい人おんで？
椎名は小柄やからそう見えるだけで体重的にも全然重くないやろ」

ほら、と私は治くんに両脇を捕まれ持ち上げられた。
要するに高い高い状態ってやつ……
なあみんな気づいてる？今部活の休憩時間。
部員全員が見てるんやけど恥ずかしいわ……
北さんなんか"赤ちゃんみたいやな"なんて笑うてはるし。