甘い君 (ページ9)

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角名くんは私の弁当に箸を伸ばすと
目の前に座る治くんは"あかーん！"なんて叫びながら
角名くんの腕を掴んでいた。

『ご飯中遊ぶんやったら私もう一緒に食べないけど。』

角「だって必死な治が面白くってさ。」

治「折角椎名に作ってもろたやつ誰にも渡さへんし
椎名の弁当もあかん。」

『はぁ…なんでもいいからさ早く食べて。
角名くんもさ言ってくれれば持ってくるから。』

角「うそ、まj「あかん。椎名が作ってええのは俺だけや」は？」

誰が決めたんですかそんなこと。
角名くんも一人暮らしやから大変やろうにって思っただけなんだけど
治くんに関してはいっつもお母さんが死ぬほど作ってくれとるやん
お母さんには同情しますよ本当に……よく食べる息子さん。
角名くんはからかうことに飽きたのか、自分の昼を食べ始めていて
治くんは"うまっ"なんて言いながら角名くんを威嚇していた。
なんか好物取られるの嫌な幼稚園生みたい笑

『さ、わたしもたーべよっ』

治「うまいわ〜椎名と結婚したら幸せやなーﾓｸﾞﾓｸﾞ」

『はいはい。ありがとうございます。』

相「安定やな、ほんま。治に少し同情するわ」

角「それな笑」

他愛もない話をしながらいつも通り昼食を食べ
移動教室の為教材を持って廊下に出た……
すると、いつも通り冷ややかな言葉を浴びせられた。
"お、昼飯食ってさらに肥えたんちゃうか？笑"
"今からお昼寝タイムですかーﾌﾞ-ﾌﾞ-笑"
まあこう言ってくる人は大抵決まってて面倒だから無視。

そう思って、通り過ぎようとしたら……

ｷﾞｭｯ

治「なんや、お前ら。好き勝手いいよって」

『治くん！？』

治「このムチムチがええんやろ。可愛いやんか」

『ちょっと……まじでやめっ』

治「女の魅力分からん童貞共は黙っとれクズ。」

そう、治くんは私を後ろから抱きしめながら
揶揄する男子たちに言い放っていた。
まさか抱きしめられるなんて思っとらんし、治くんが
そこまで怒ってくれるなんて思っとらんかった。
周りもザワついているし、揶揄って来た男子も何かタジタジだし……