甘い君 (ページ8)

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1限目の時点で治くんは隣でお弁当を食べていた。
朝ごはん食べたんだよねこの人。

『ねえ、今は何食ですか？』

治「ほへははー、いひほーひょーほく。」

『え？なんて？』

治「ひょーほく」

『飲み込んでから喋ってください。』

治「ｺﾞｸｯ2回目の朝食や。」

［ほーん授業中に朝食とはええ度胸やな、没収すんで治］

治「あかんて先生！まだ食べ終わっとらんやろ！」

うん、治くん。違うよ、そこじゃないよ笑
休憩時間に食べればいいもののなんで早弁するかなー
まあ、いつも通りなんやけどね。
先生にお弁当を没収された治くんは"ぐーぐー"とお腹の音を
隣で立てながら、するもんだから……気になって仕方がない……。

［お前の腹うるさいわ治！！］

治「じゃあ、弁当食わしてぇや！！」

『先生、お願いします。隣でなると1番気になる……』

［椎名、お前に多大な迷惑をかけた。治、椎名に免じて
今日だけは食ってええけど、明日以降やったら北に言うで。］

治「それは先生それはあかんて。」

［守ればええだけの話やろ。1回でも見逃す俺は甘いなー］

完全に隣でむくれてご飯を駆け込む治くんに対し
私を含む周りは"あ、食う(食べる)んや。"
こう思ったと思う笑
この後しっかり平らげた治くんは美味かった！なんて顔をして
終始ニコニコしていた。
侑くんと違って治くんは柔らかい表情をする……かわえぇな。

･
時が過ぎて、もうお昼ご飯の時間。
私ずっと治くんが何かを食べてるところしか記憶ないわ……←
角名くんは"お前の胃の中見てみたいわ。"なんて
毎度おなじみの呆れ顔で見て写真を撮ってた。

治「椎名！昼どんなんが出来たん！？」

『まだ食べれるのね笑はい、これ。昨日弁当箱買ってよかったわ～』

角「え、何こいつの為に弁当箱まで買ったの？」

『だって私一人暮らしだもん男物なんてないよ。』

治「え、椎名一人暮らしやったん？」

『え、言ってなかったっけ？両親は今仕事でき県外だよ』

相「私の為の残ってくれたんやもんな！」

ま、まあそうやけど。
りかの為って訳でもないんだけどね笑
って言うとすねそうだからこれは我慢しておこう。

治「うっわ。すっげー美味そうや……。」

角「ほんとだ美味そう。卵一個ちょうだいよ」

治「あかん！これは俺のや！」

角名くんは私を見てニヤニヤしてきた。
マジで何？って聞こうとすると私の弁当に箸を伸ばした。