いたいけな少女を助けるのは当たり前 ページ11
no-side
湿っぽい空気。ザラザラとした感触。何より先程の浮遊感。少女がこれを落とし穴だと認識するのに、それほど時間はかからなかった。
綾部「だぁーいせーいこーう。おやまぁ、曲者さんじゃあないですかあ」
A「・・・」
手に持った踏鋤、顔についた泥。少女は、またまた即座に、この落とし穴をほったのは綾部喜八郎だと判断した。
A「・・・チッ。感服だ。まさか私が来るのを見越してこんな大きな罠を作るとわな。あ、ダジャレじゃないよ。にしても忍術学園が、ただの子供たちがここまでやるとは思わなかった。さすがだな。」
留三郎「いや、ほとんどアンタが自分からハマったんだよな?」
小平太「留三郎、細かいことは気にするな!
ところでA、走るのが割と早かったが、もしかして強いのか?」
A「・・・別に強くない。あっちょっ、ここから出して。1人じゃ上がれない。」
少女は足を怪我していた。
仙蔵「自分で出てみろ。私達も曲者に手を貸すほど優しくはない。」
勘右衛門「立花仙蔵先輩、アイツ、足を怪我してるみたいです。」
少女の怪我に気がついた尾浜勘右衛門は、そっと立花仙蔵に言った。
仙蔵「・・・チッ。仕方がない。」
立花仙蔵は、少女を軽々しく持ち上げると、ひとっ飛びで穴から出た。
仙蔵「感謝しろよ。本当だったら貴様もろとも地面に埋めてたぞ。用具委員会が。」
留三郎「どういうことだゴラ!」
A「・・・ありがと・・・。だが、この位は当然だ。忍者うんぬんの前に人としてな。決してお礼を言うほどのことではないな。お礼は私を医務室に連れてってからだ!」
三郎「なんだアイツ。随分と上からものをいうじゃねーか」
雷蔵「まあまあ」
17人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ナツキ | 作成日時:2021年4月5日 23時