【おそ松さん】長男というもの

9 ページ9

公園の丸い遊具の中で体育座りをする。

昔から嫌なことがあるとここへ来る。



｢……俺、ついカッとなって｣



言ってしまった。溜まりに溜まった思いが一つの言葉で溢れてしまった。


“お前らの兄やめたい”


それは、絶対言ってはいけない言葉。

いくらカッとなってもそれだけは言わない。

……そう決めていた。


でも、しょうがないよな。

しょうがない、しょうがない。


今更そんな事言ってる場合じゃない。





俺は、消えないといけない。





消えないと、弟の為に。








また頬に一筋の涙が伝う。









俺の何がいけなかったんだろ。




｢なぁ、弟たち｣








ポケットにあったカッターを手に取り、


力いっぱい握る。


手汗がにじみ、気持ち悪い。




何処かで聞いたことがある。

この世には天国と地獄というものが存在すると。


俺は、天国へ行けるかな。



行けたら、良いな。






“手首の動脈を切って自害する時は



手首を切る勢いでやらないと。”
















ｸﾞｻｯｯ

10→←8

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す