【おそ松さん】長男というもの

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わかるだろ。本当は。

気付こうとしないだけ。
誰かに心配されたいだけ。そうだろ。




分かっちゃうんだ。アイツらと違う年の離れた兄だけど。


そりゃ、20年間ずっと長男やってんだから。




アイツらが、俺に暴言は吐く時、


嘘つく時の癖が出てるんだ。




トド松は前髪を触る。
十四松はちゃんと笑えてない。
一松は爪をよく見る。
チョロ松は頬に汗をかく。
カラ松は目を合わせない。



おそ松はいつも右手を強く握っている。





あーあ、分かっちゃうんだ。



わかりたくなくても、いくら喧嘩したとしても。



だって、あんなに、あんなにたくさんの思い出と。


たくさんの言葉忘れるわけがない。




今も変わらず、お前らが俺を大切な兄だって思ってるなら、俺だって大切な弟だって思ってる。




責任とか、プレッシャーだとか、いらない。
必要ない。そんなの兄弟に、





俺たちに、必要ない。





笑えないなら笑うな。



泣きたいなら泣け。



辛いなら無理してやるな。




疲れたなら休め。







そんな当たり前のように言われてる言葉だって俺たちには簡単にできない。




“大丈夫” “頑張れる” そんな言葉じゃ安心できない。頑張れない。





それでも、生きてるなら。


生きようと思えてるなら。



俺は“生きる”それだけで精一杯。



それを楽しくするのは結局自分なんだ。







間に合わないものなんてない。






もし、俺が。





もうすぐこの世を去るとしても。



それでも、良いや。




お前らが生きてるなら。






死んでも、お前らの兄やっててやるよ。





残念だったな、お前ら。俺には全部お見通し。




だから、最後まで笑ってろよ。



今、行くから。





【長男として】

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