検索窓
今日:5 hit、昨日:1 hit、合計:52,864 hit

15 ページ15

トド松side


「うっ……ひっく…うぅ」


「にいさっ…ふっ……う」




夜道に響くのは僕一人の声。
響いちゃうから声を抑えて泣くけど、でも、止めることができない。




だけど…泣くだけで何も出来ない昔の僕じゃない。

兄さんたちの陰に隠れて、自分で行動することができないからくっついて歩く。


そんな、弱い僕じゃない。




カランッ



「ひっ?!!」



何処かで何かが落ちた物音がする。

なに、?なにかいるの……?やだ、やだ


「にいさんっ…たすけてっ」


余計涙が出てきて足が震える。


僕がいるのは公園。
こんな所に今の時間誰かいる訳ない。




「やだよぉっ……ううぅ」




「……!…でも、頑張らなきゃ」






ひとまず震えた足を治さないと。
ちょっと、休憩しようかな。





……そんなことしてる間にA兄さんに何かがあったら。


そんな思いが僕の頭を横切る。



「だ、め。」



探さなきゃっ









そこで、僕は見つけてしまった。



「みず、たまり?」


丸い遊具の入口に小さな水たまりができていた。

あたりが暗すぎて、それが本当に水たまりかはわからないけど。



震える足で近づいた。





……待って、でも、おかしい。
ここ1週間雨は降ってない。





心の中に黒くて、不安定で、大きな、“嫌な予感”がグルグル回る。







入口の前に来て中を覗き込む。


水はそこから流れてるみたい。









「…………っっ!!!!」


「え、あ、あ、」



「う゛ああぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!」




そこにあったのは腕から大量な血を流し目をつぶり倒れているA兄さん。



「いやだっ、いやだぁ!!!」



一松「はぁ…はぁ……トド松?」



後ろから走ってきた一松兄さん



一松「トド……ま…つ」


異変に気づいた一松兄さんは丸い遊具の中を見る。



一松「…っ?!あ、あ、な、んで」


一松「なんでっ、にいさっ、なんでッッ!!」



一松兄さんは声を荒らげた。
そして、僕のポケットから震える手でスマホを取り救急車を呼ぶ。



「うぅあぁぁっ、う゛っ」



泣くしか出来ない僕は一松兄さんが電話するのを見ているだけ。



何も出来ない。






ここまできても僕は無力。



結局何も変わってないや。



【無力で最悪で】

16→←14



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (133 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
203人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

若葉girl年中girl十四チョロ推し - これは…いい作品見たぞ……|-∵-| (2017年10月21日 23時) (レス) id: 194c6be8c9 (このIDを非表示/違反報告)
鳴白(プロフ) - たぬきクリームさん» 有難うございます(^^) (2017年1月27日 22時) (レス) id: 0735607639 (このIDを非表示/違反報告)
たぬきクリーム(プロフ) - 鳴白さん» あ、是非とも見させてもらいます!!!! (2017年1月27日 22時) (レス) id: bbd868698e (このIDを非表示/違反報告)
鳴白(プロフ) - たぬきクリームさん» そんな事ないですよ!?でも一応無音 我路って名前で書いてるんで良かったら見てやってください! (2017年1月27日 21時) (レス) id: 0735607639 (このIDを非表示/違反報告)
たぬきクリーム(プロフ) - 鳴白さん» いえいえ!!鳴白さんの方が絶対文才ありますから名前的に(( (2017年1月27日 21時) (レス) id: bbd868698e (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:たぬきクリーム | 作成日時:2016年12月13日 21時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。