女の子の日(和哉) ページ2
2人は同棲中
有難いことにお仕事も増えてきて、最近では家に帰るのは夜中になることも少なくはない
和哉「ただいまー」
もう寝てるだろうけど、真っ暗なリビングに向けて呟く
電気をつけると、毎日用意してくれてる夕食が今日はない
不思議に思いリビングを見渡すと、ソファに丸まっているあいつ
和哉「おい、こんなとこで寝てると風邪ひくぞ」
いくら揺すっても起きない
仕方ないから寝室まで運ぼうと、抱き上げると
「ともや、、」
俺の名前を呼びながら、俺の首に手を回してくる
和哉「起きてるなら目開けろよ、心配するだろ、それとも体調悪いの?」
とりあえず俺もこいつを横抱きにしたまま、ソファーに座る
「ともや、あしたもおしごとなの?」
この平仮名みの強い喋り方
もしかして女の子の日?
和哉「そうだけど、昼からだから朝はゆっくりできるよ。」
「そっかぁ、」
そんな水分量多い目でみつめられたら、理性保てないだろと思いつつ、膝の上に乗せる
そして、背中にブランケットを巻いてやると、俺の肩にコテンと効果音がつくくらいの勢いで頭を乗っけてきた
寂しい思いさせてたんだろうなーと思い、背中に手を回し抱きしめる
和哉「ごめんな、苦しい日にもそばにいてやれなくて」
「んーんー、こうやって、いっしょにいられるだけでうれしいの」
こいつからの猛アタックに俺が負けて付き合い始めた。
最初はそこまで本気じゃなかったのに
料理上手で賢くて優しくて気が利くこいつと時間を過ごす内に、俺の方がこいつを必要としてた
和哉「今、女の子の日だろ?そばに居てやるから、ゆっくり休め」
なんで知ってるの?という目で俺を見つめてくる可愛いやつ
知ってるに決まってるだろ
女の子の日になるといつもはあまり甘えてこないのに、俺にベッタリになるとこ
涙が出やすくなるところ
喋り方が幼くなるところ
和哉「 元気になったらどこか出かけようか」
もう寝てて聞こえるはずのないけれど、あいつの耳に届くようにささやく
多分これからもっと寂しい思いさせることもあるかもしれないけど、こんなにそばに居たいて思わせてくれるのはお前だけだから。
俺より一回り小さい背中を抱きしめて、寝ているあいつの頬にキスを落とした。
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作者名:おむらいす | 作成日時:2021年6月4日 0時