ハニー先輩の妹は病弱でした (ページ33)

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馨side

『…いいよ』

立ち去ろうとした手を握ったのはAだった。

馨「え！？A、いつ起きたの！？」

『私のこと、教えてほしいってとこから、かな？』

ってことは…。

馨「す、好き…ってもの…？」

コクリ、と彼女は小さく頷く。

真っ赤になった彼女の顔を見ると、自分にも伝染するように顔が熱くなるのが分かった。

馨「うわ…まじかよ…あぁ、もう…」

『えっと…あの…………』

馨「……………好きだよ。Aのこと」

Aside

馨「……………好きだよ。Aのこと」

…え。

す、すき！？

聞き間違いじゃない、よね！？

馨が…私のこと……。

寝起きだっていうのに突然のことすぎて頭が追いつかない。

起きたら馨がいたことでさえびっくりしてるのに、今の状況が理解できなくて言葉が何も出てこないよ。

馨「大丈夫、婚約者がいるのは知ってるから。ただ伝えたかっただけ」

『こん、やく、しゃ？』

…私に？

馨は苦しそうな顔をして拳を握り締めている。

そんな様子を見るに冗談ではないらしい。

『それは…』

ﾊﾆ「それは違うよ！カオちゃん！」

『みつにぃ！！！』

ﾓﾘ「起きたか、A」

馨「ハニー先輩、モリ先輩…」

もりにぃは持ってきたお茶を馨に差し出す。

ﾊﾆ「カオちゃんが言ってるのは崇とAちゃんの婚約のことだよね？」

え！？私ともりにぃが！？

もう、さっきからみんな何を言っているのか分からないんだけど。

もりにぃとみつにぃは何のことだか分かっているようで静かにお茶をすすっている。

馨はやっぱり苦しそうな顔のままだ。

『…私、もりにぃとは結婚できないよ』

だって、それじゃあ私の気持ちは…………。

馨への、大切なこと気持ちは…………。