ハニー先輩の妹は病弱でした (ページ29)

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馨side

意識が戻るとそこにいたはずの2人は居なくて僕だけが長い廊下に1人立っていた。

さっきの言葉はなんだ。

モリ先輩とAが婚約？嘘だろ？

僕らのこと大事な存在だって――
バレンタイン僕だけに、って――
こんな幸せなの初めてだって――
　
……なんだ……僕らなんかよりもっと近い存在が居たんじゃないか。

気づけばパーティから抜け出して自分の家へと帰ってきてた。

自分のベットの上に転がり、上がった息を整える。

なんでこんなに僕は怒ってるんだ。
　
いや、困惑？してるのか？

もう自分でも何がなんだか分からない。

僕は恋、というものを知っていると思う。

なんでかってそれはハルヒという存在がいるからだ。

僕はそれが恋だと思ってた。

けどどうだった、今日の僕は。

いつもならハルヒのタキシード姿にも一際反応してしまうのに、何故かAにしか目を奪われなかった。

いや、今日だけじゃない。最近毎日だった。

何故か目で追ってしまうし、話す時は少しぎこちなくなってしまう。

これが恋ならハルヒに対する感情は？
それともハルヒが恋で、Aはまた別？
だったら僕のこの苦しさはどうすればいいの？

周りから光よりかは大人びてる、なんか言われてた自分がなんだか今はとても子供のように感じる。

馨「やばっ、光のこと置いてきちゃった」

こんな突拍子もない行動して。
光を置き去りにして逃げちゃって。
更には自分でもよく分からない感情に振り回されて。

馨「僕もまだまだ子供だ」

顔に覆いかぶせるように手を置く。大きいため息がつい出てしまう。

明日は学校を休もう、正直自分にはキャパオーバーだ。