ハニー先輩の妹は病弱でした (ページ28)

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馨side

Aにお祝いの言葉をかけた次はハニー先輩を探していた。

正直もっと見たかったけどもう1人の主役にも挨拶しなくてはならない。

あの姿のAがずっとここにいるのか、と思うと周りの男を危険視してしまう程今日はどうにかしていた。

まあ、そう思ってしまうのも仕方ないのかもしれない。

なにせ今日のAのドレスは誰でも目を奪われるほど綺麗だった。

幼く見られがちな容姿をカバーするような背中が空いてる大人っぽいデザインに、可愛らしさが残るように施された花の刺繍はとても素晴らしかった。
　
しかも、慣れてないような高いヒールで顔の距離も近くてなんだが緊張してしまう。

つい赤面してしまうのが自分でも分かり、咄嗟にAの頭撫でてこちらを見させないようにした。

なんか自分が自分じゃないみたいだった。

まだ始まってすぐだっていうのにもう疲れちゃいそうだよ。

馨「僕、ちょっとトイレ」

光「おっけー、向こうでハニー先輩探しとくわ」

1回このドキドキを収めないと。
　
長い廊下を進んで曲がろうとする。

すると曲がろうとした先から聞きなれた名前が聞こえた。

ﾊﾆ父「うちのAとお宅の崇くんとの婚約の話だが…」

ﾓﾘ父「あぁ……そろそろ2人もいい頃合いだろうしな」
　
―――は？

一瞬、周りの音が何も聞こえなくなっていた。