*** ページ27
「本日は長男光邦、そして長女Aのためにお集まり頂きありがとうございます。どうぞお楽しみください。」
お父さんの挨拶が終わると同時に演奏が始まる。
みつにぃの次の日が私の誕生日なので一緒の誕生日パーティではあるが祝いに来る人はみつにぃのお客さんがほとんどだ。
少し寂しくはあるが今までパーティにすらあんまり参加出来なかった身としては今日が楽しみで仕方なかった。
早速みつにぃはケーキに向かい食べまくっている。
その片手間に来客者に挨拶、と自分の兄ながら自由奔放だな、と苦笑いする。
ハ「A!一日早いけど誕生日おめでとう」
『ハルヒ!ありがとう……って、なんでドレスじゃないの?』
ハ「前に部で使ったタキシードしかなくて」
そんなの言ってくれたらドレスくらいあげるのに!なんて言ってもきっと遠慮するんだろうな、と思う。
こっちに美味しいものあるから一緒に食べよ!と言うとハルヒは、お、大トロ…とか?と目を輝かせる。
もう、本当にこの子は可愛いんだから。
ハルヒを連れてテーブルの方へ行こうと視線を向けると奥に光と馨が居た。
ハ「あ、光と馨」
ハルヒの声で2人がこちらに気づく。
反射で目を逸らしてしまいそうになったがなんとか維持する。
頑張るって決めたろ自分!と意気込んで馨に目線を合わせた。
『っ!』
え、ちょ、え……カッコよすぎない……?
少し暗めの落ち着いた紺色のカラースーツを身にまとう姿はまるでモデルのようだ。
いつもより数倍輝いて見える馨に目を奪われる。
「「A、誕生日おめでとう〜」」
『ありがとう!2人とも!』
光「ドレス可愛いじゃん!ね、馨」
馨「あ、うん……似合ってる」
え!とその言葉に驚き馨の顔を直視しようとすると手で遮られ、そのまま頭を撫でられる。
うわ〜!!!!え!撫でられてる!?!?
髪崩れちゃうよぉ、と悪態をつきながらも口角はずっと上がっていた。
恥ずかしくて馨の顔見れないや。
『誕生日にこんな幸せなの初めてだよ、3人ともありがとう』
撫でている手は中々離れず、この時間がずっと続けばいいのになんて思った。
15人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:Lion | 作成日時:2024年2月23日 0時