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お客様には愛を
お返しにはとびきりの笑顔を
そして
――その想いには応えられなくても
せめて一輪のバラの花を――
『……とっても素敵ですね』
環「そうだろうそうだろう！ほら、Aにも」
「「僕達からもドーゾ♡」」
ﾊﾆ「Aちゃんにもこれあげる〜！」
ﾓﾘ「……A」
鏡「いつもご苦労」
ハ「自分からも、どうぞ」
みんなから一輪ずつ貰った薔薇の花を貰う。
みんなに貰った花たち。
全部同じ種類のはずなのにどうして馨からもらった花はこんなにキラキラしてるんだろう。
その訳に心当たりがあったため、その日は愛読してた少女漫画を読み漁った。
後日。
みつにぃの虫歯も無事終わり、部内は直ぐにバレンタインモードに変わった。
ハ「はい、約束の友チョコ」
『わ、私も、これ…！』
お互いに友チョコを交換するやりとりで幸せな気持ちになる。
「「ねぇ僕らにはないのー？」」
そんなやりとりを見てた双子がこちらに寄ってくる。
環先輩もこちらをキラキラした眼差しで見てた。
『……皆様にはこちらを』
パチンッと指を鳴らすと入口の扉が開き、そこから今までみんなに内緒にしてきたものが運ばれてくる。
ハ「これって……チョコフォンデュ？」
『はい、みつにぃのチョコ解禁祝い&皆様へのバレンタインです！』
天井近くまである機械を見てハルヒはそういやAも金持ちだったな、と遠い目をしている。
『チカちゃんと2人でずっと計画してたんです！』
ﾊﾆ「え〜！そうなの！？チカちゃんもねぇ……」
そう言いながらみつにぃはチョコフォンデュを口にパクパクとどんどん放り込んでいく。
環「ハニー先輩も相変わらずですね」
ﾓﾘ「……今度からは徹底的に歯磨きをさせる」
もりにぃも変わらない姿勢でみつにぃを見てるのでなんだが微笑ましくって笑ってしまう。
いいな、この雰囲気。大切にしたい。
今までの私の居場所はベッドの上だったけれど、そんな世界がここまで広がるなんて思いもしなかった。
『……ねぇ馨』
馨「ん？どーしたの？」
ハルヒや双子のような心からの友達と出会うなんて、
『これ、馨にだけあげる』
馨「え」
ましてやたった1人の男の人にとある感情を抱くだなんて、
『……じゃ！』
昔の自分からしたら考えられなかったことだ。
(ま、漫画だとあんな感じだったよね！？大丈夫だよね！？
……やっぱり、私は馨が好き、なんだ)
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作者名：Lion | 作成日時：2024年2月23日 0時
