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これ以上前には行けないが、幸い俺も先輩の友達も体育館の中が見える位置にいたので

そこから観戦することにした

 
「あ、Aいたよ!」

指差す方向を見ると、先輩が選手席のところにポツンと座っていた

多分途中で交代して少しだけ出場するんだろう


てか先輩、めっちゃボケッとしてんな
 

「Aすごい暇そうにしてるじゃん!あははっ!」

同じような事を思ったのか、横で爆笑している

後で本人に見せる用にと、携帯で写真を撮り始めた
 


「この写真ほしい人、この学校にいっぱいいるだろうな〜」

ほしい?とこちらに画面を向けてくる


「いらないっすよー、毎日部活で見てんすから」

思わず画面に映る先輩に見入ってしまいそうになるのを、打ち消すようにそう言った



「あいつらさ、表向きはAを人数合わせでグループに入れたことにしてるんだけど」

「え、違うんすか?」

先輩はそう言ってたんすけど、と言う俺に

やっぱりAがバスケに出ること知ってたんだ、と笑われる

「あ、いや…」


今日2度目の墓穴を掘ってしまった俺

分かってはいたが、俺は嘘を付くのが下手らしい


少し気まずくなっている俺をよそに、先輩の友達は話を続ける


「まぁ違わなくはないんだけど…

実際は試合の打ち上げって建前でAとご飯に行きたいからなんだよ」

「え?」

「知ってるだろうけどAってかなりモテるじゃん?」

ウチのクラスでも今だに狙ってる人多いんだから!と付け加えた


「バスケ部だって、大抵の人はAのこと1度は好きになったことあるでしょ〜」

あ、噂をすれば…と

座っている先輩の方を見るように俺を誘導する
 

その通りに目線を移すと、


そこでは深津さんと先輩が2人で話していた




あの2人ってほんとによく一緒にいるよな…

まぁキャプテンとマネージャーだし、他の奴らより話す機会が多いのは分かるけどさ


そんな事を考えていると

「え、頭撫でちゃってるじゃん!」

深津さんが先輩の頭を撫でているのが目に入る

何故こんなにも、俺はこの現場への遭遇率が高いのか



「…やっぱり深津さんって、先輩のこと好きなんすかね」

 

深津さんといるときの先輩は、どこかいつもより幼く見える

その姿から、それだけ深津さんを信頼しているのであろう事が見て取れて…


自分といるときの先輩と比べたとき、その違いにショックを受ける自分に

何だかむず痒さを感じる

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葉ノ子(プロフ) - 那実さん» 私も大好物です。まだまだ過去編は掘り下げて行きますのでよろしくお願いします! (2023年3月3日 23時) (レス) id: cc75193184 (このIDを非表示/違反報告)
那実 - こういう過去に何かを抱えてる系の話ってやっぱり好きだわ… (2023年3月2日 0時) (レス) @page16 id: 36bff0e057 (このIDを非表示/違反報告)
葉ノ子(プロフ) - mimiさん» 私も同じ沢北推しに出会えて嬉しいです!ありがとうございます。 (2023年3月1日 19時) (レス) @page14 id: cc75193184 (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 沢北推しなのでこの作品を見つけられて嬉しいです!更新頑張って下さい! (2023年3月1日 17時) (レス) @page5 id: efe32caa82 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:葉ノ子 | 作成日時:2023年3月1日 15時

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