03 ページ4
・
『はい、(人1)です』
「おお(人1)か、どうだ選手たちの様子は?」
電話の相手はやはり顧問の堂本先生であった
まだやることが残っているのか、紙をめくる音が受話器越しに聞こえてくる
『いつも通りですよ
まぁ昨日の大学合同練習での疲れが残ってるみたいで、動きが重い選手も多々いますけど。
これだと午後イチの筋トレは疲れてる部分庇っちゃって逆に腰やっちゃうかもしれないですね』
「そうか、じゃあ今日の午後は先月のシュートメニューで終わりにするように深津に伝えてくれ」
先月の練習メニューをまとめたバインダーは…
確か部室においたままだったな
『分かりました、午後の練習も先生は来られないんですか?』
午後のメニューまで伝えてくるということはそういうことだろう、と
「ああ、今までのが結構溜まっててな…」
『さては先生夏休みの宿題最終日に溜めてたタイプですね』
「はは!バレたか。
まぁ締め切りは3日後だから最終日ではないぞ…まぁそういうことだから頼んだ」
それそんな変わんないですから、
そう言いながら私は受話器を戻した
「先生からだったピョン?」
後ろにいた深津から声をかけられ、振り返る
『あ、うん、今日は来られんってよ。
あと午後は先月のシュートメニューに変更やから、後で先月のやつ確認してくるね』
…と、
深津が話しかけてくるってことは休憩に入ったのか
タイマーに目をやると9:04…9:03…9:02…と動いている
スクイズも選手たちが自分で取っていた
『ごめん休憩入っとったんやね、タイマーとかスクイズありがと』
片手を顔の前に出して、スマン、とポーズをしてみせた
そして私は用意していたタオルと
クラーボックスから取り出した氷嚢を選手たちに配っていく
「気にするな。
スクイズも種類分けされてたしタイマーも後はスタート押すだけだったからな」
「そうそう河田の言う通りだって、むしろ用意してくれてサンキューって感じ」
『美人で有能で完璧なマネージャーか、うんうん。
事実だけどそんな褒められると照れるやんね』
「いや誰もそこまで言ってねぇよ」
松本が呆れたような顔で私を軽く小突き、河田がそれをみてワハッと笑う
「まぁ自己肯定感が高いのはいい事だピョン」
『わーい、深津は優しい』
「いや、フォローしてたのは俺たちだからな?」
84人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
葉ノ子(プロフ) - 那実さん» 私も大好物です。まだまだ過去編は掘り下げて行きますのでよろしくお願いします! (2023年3月3日 23時) (レス) id: cc75193184 (このIDを非表示/違反報告)
那実 - こういう過去に何かを抱えてる系の話ってやっぱり好きだわ… (2023年3月2日 0時) (レス) @page16 id: 36bff0e057 (このIDを非表示/違反報告)
葉ノ子(プロフ) - mimiさん» 私も同じ沢北推しに出会えて嬉しいです!ありがとうございます。 (2023年3月1日 19時) (レス) @page14 id: cc75193184 (このIDを非表示/違反報告)
mimi - 沢北推しなのでこの作品を見つけられて嬉しいです!更新頑張って下さい! (2023年3月1日 17時) (レス) @page5 id: efe32caa82 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:葉ノ子 | 作成日時:2023年3月1日 15時