白黒彼氏 (ページ42)

今日:1 hit、昨日:0 hit、合計:10,640 hit

[42] ページ42

｢廉はほんとAちゃんいじるの好きだよね～(笑)」

斜め前に座っていた海人が俺の思い出し笑いに気づいたのか、楽しそうに笑いながらそう言ってきた。

｢だっておもろいもん(笑)」

｢小学生の男の子みたいだよ。
好きな子にちょっかい出したい～みたいな(笑)」

…………は？

俺がAのことが好き？

…………………………

…………なわけないやん(笑)何言うとるん、海人。

そう言おうと、口を開きかけた時だった。

｢廉」

すぐ近くで、聞き慣れたハスキーボイスが聞こえた。

ふと隣を見ると、やけに真剣な顔の紫耀。

｢うわっ、紫耀おったん？」

｢…………あのさ、」

いつになく真剣な顔の紫耀。

こいつとは長い付き合いやけど、こんなに真剣な紫耀はなかなか見ない。

｢なんかあったん？」

よほどのことがあったのかと少し不安になって尋ねると。

｢…………あんまりAちゃんいじめたらあかんで」

真剣な表情と比例するような声のトーン。

………………あぁ、そういうこと。

その様子を見て、俺は紫耀が思っていることがなんとなくわかった。

もしかして紫耀、Aのことが……………

｢誰をいじろうが、そんなん俺の自由やん。
なんで紫耀がそんなこと言うん？」

なんで紫耀がそんなこと言うのかなんて分かりきってるくせに、わざとそう聞く俺はやっぱりAが言う通り腹黒いんかな。