妖ウォ×王室教師ハイネ（第1弾！） (ページ43)

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静かな王宮ページ43

出発してから何日も経った、やはり言っていたようにハイネも妖怪達も帰ってこない、あのうるさいほどに元気な赤猫も、部屋にこもって王様のくせに弱気な青猫も、いつもいつもケンカしてお騒がせする武士猫も、マイペースで馬鹿正直な狛犬も、あまり見かけなかった黄色い兎も、王子達やアデル姫の心を掴んだあの背が低い教師も、誰1人として帰ってこない、カイはシャドウの肉球をフニフニしてはいるがあまり楽しそうではないし、ブルーノは師匠師匠と病的に呟いているし、リヒトは元気づけるために女子と遊びに行っている、ヴィクトールは元気に見せかけてはいるがやはりどこか寂しそうで、アデルは先生が書いたあのド下手な絵に話しかけたりなど、全員の日常生活が大きく変わった、レオンハルトも勉強にあまりやる気が出せなくなった。
レオンハルト)…。
あの時ハイネが投げた帽子を手に取ってみる、もう何日も経っているせいでハイネの香りはもうしない。
レオンハルト)遅いぞハイネ…。
サビスト教師だの、教師だなんて嫌いだの、ここから出てけだの今まで言っていたものの、いざ本当にいなくなるとそれはそれでスッキリしない。
レオンハルト)…。
宿題が全く捗らない、答えはわかっているのに、そしてそれは、合っていると自信があるのに。
リヒト)レオ兄ー？
扉からリヒトが顔を覗かせる。
レオンハルト)なんだお前、遊びに行ってなかったのか？
リヒト)いやー、そのつもりだったんだけどー、ほら、出発してから１週間経ったでしょ？もしかしたら帰ってくるかなーと思って。
レオンハルト)…。
リヒト)俺だけ出遅れるのやだしさー！
レオンハルト)ふん、そうか。
リヒト)レオ兄寂しいんでしょ！
レオンハルト)べ、別に寂しくなんか…！
リヒトがひょいっとハイネの帽子を取る。
レオンハルト)か、返せ！
リヒト)ほんっと凄いよねー、センセーって。