【番外編】妹の書いたやつを修正してみた ページ34
※妹の原文でシリアスチックな奴があったので私なりに修正してみました。
稚拙ですがよろしければどうぞ(*‘ω‘ *)
煉獄杏寿郎が死んだ。
その言葉を聞いたとき、私の世界は止まった。
『嘘だ』
唇を震わせ、喉元を引き攣らせ、やっと出た言葉がそれだった。
『嘘だ!!』
伊之助が大声にビクリと肩を震わせる。
いつもはピンとした被り物の耳も、今日はしおれていた。
『杏寿郎が死ぬわけない!
あの子は私なんかよりずっと強い!
鬼なんかに負けるはずがない!
お前は嘘つきだ!!』
善逸がおろおろとこちらを見ているが、そんなことを気にしてはいられない。
頭より先に、口が動いていた。
自分が何を話したのかなんて、いちいち覚えてはいない。
ただ叫ぶように、悲鳴を上げるようにひたすら言葉を紡ぐ。
杏寿郎が死ぬ、死んだ、死、死死死
うそ、そんなはず、死んだ、杏寿郎、嘘、違う、ない、杏寿郎、杏寿郎
何で、違う、死、嘘、嘘なんでどうして、いや違う、おかしい、間違い、でもそれじゃあ、死、いない、何で、死ぬ、そんな、消える、嘘、なんで、あの時どうして、私は、嘘だ、嘘だうそだうそだ
『………Aさん』
『!』
震える声に顔を上げれば、何かから目覚める感覚に陥る。
『たん、じろう』
炭治郎が、泣いていた。
肩を震わせ、嗚咽を噛み殺しながら。
『煉獄さんは……死にました。本当です』
もう、私には何も言えなかった。
彼の零した涙が全てだった。
煉獄杏寿郎は死んだ。
どれだけ私が理屈を並べても、どれだけ吠え立てようとも、その事実を覆すことはできない。
『……俺の責任です……ごめんなさい!!』
崩れ落ちるように炭治郎は泣き伏した。
善逸も、伊之助も、泣いていた。
彼らとは裏腹に、私は嫌に冷静になっていた。
……そうか。死んだのか、杏寿郎は。
それを受け止めた瞬間、あれ程叫びだしそうになっていた心が、嘘のように静かになっていく。
ゆっくりと、でも確実に。
頭が冷えていく感覚が、私を突き動かした。
『炭治郎。顔を上げて。
私は大丈夫だから』
顔を両手で包み込むようにして、くいとこちらを向かせる。
炭治郎の本来なら端正な顔立ちは涙と鼻水でぐちゃぐちゃだ。いつもの私ならそんな彼を見て大笑いする所だろう。
そう思って、出来る限り唇の端をつり上げる。
『かっこいい顔が台無しだよ』
今の私は、ちゃんと笑えているだろうか。
短編集その21.鬼化した→←短編集その20.悪女登場!?後編
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月坂柚花(プロフ) - バレンタインの話、実は妹さんの想像していたチョコレートって、トリュフチョコみたいに、小さなチョコレートの詰め合わせ的なヤツじゃないでしょうか……? でも、今の状態がたぶん一番面白いです! (1月7日 9時) (レス) @page8 id: 99ac869474 (このIDを非表示/違反報告)
るぅ(プロフ) - 面白いですね!!特に卵のやつが面白いです!!鬼が捕まるところがww (1月6日 17時) (レス) @page9 id: 5455d2cf58 (このIDを非表示/違反報告)
諸刃 - 戻れない日々で、時透くんが自殺しようとしてたり、無惨様が泣いてたりするとこ ヤバいです!!笑いすぎて死ぬー!! (8月3日 20時) (レス) @page48 id: b434511ad8 (このIDを非表示/違反報告)
フゥフゥ - 「米騒動」、めっちゃいい!!大爆笑しました! (8月3日 20時) (レス) @page36 id: b434511ad8 (このIDを非表示/違反報告)
シラ・タマーヌ3世(プロフ) - 面白すぎて、腹筋飛んでいきそうです。これは、深夜に読むものじゃないですねww (2022年12月20日 7時) (レス) @page17 id: a995b7f6e9 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:お酢 | 作成日時:2021年2月15日 16時