△112話 ページ22
次の日の朝…みやびちゃんを見つけたから近づいて今、一緒に登校している
いつもみやびちゃんとは教室で顔合わせするから、この瞬間は貴重すぎるのだ
そうして二人で歩いていると突然、今川くんと真田くんが行く道を塞いでいた
なんでこの二人が…嫌な予感がする
「日下部、桜木…悪く思うなよ」
「どういうおつもりですか?」
「俺たちは、まずお前らをつぶすことにしたんだ」
「私とAちゃんを?」
「一緒に来い」
「…来いって言ってんだよ!」
心なしか二人の声が震えてる気がする
本心ではない…この二人のことは私がよく知ってる
私が絡むときに嫌な顔一つしないで話してくれた
そんな子達が、こんなこと望んでするハズはない
すると、みやびちゃんが口を開いた
「揃いも揃って…あなた達はこんな時に何をしておられるのです!?信じられません…
恥ずかしくないのですか!?黒百合高校が今にも襲ってくるかもしれないという時に…
一度は総長を目指したお二人でしょう?目を覚まして下さい。あなた達が今なすべきことは何ですか!?」
「そんなのもう…とっくに見失ってんだよ」
「見失ったならまた探せばいいじゃないですか!それができぬお二人ではないハズです!」
「……なぁ桜木。どうしてお前は俺たちが裏切り者だって言わなかった?最初から知ってたお前なら、いくらでも言えたんだぞ?」
言わなかった理由…そんなの決まってる。耐えきれなくなった私は二人に近づいて頬を軽く叩いた
ペシッと乾いた音が静かに響く。ずっと二人に言いたかったこと…言わせて貰おう
『……バカ。バカ!馬鹿馬鹿!言わなかったこと、裏切り者だって言ったら責められるから…
貴方たちのことを思ってずっと仕舞ってた!…苦しかった、嫌だった…』
「…ごめん」
『本当は嫌なくせして無理にやる必要はないのに。馬鹿過ぎるよ…本当に』
「やっぱり俺、嫌いだ…お前のそのうんざりするくらい優しい性格が。でも…」
『…でも?』
「……ありがとう。今まですまなかった」
『うんっ…』
「ありがとう、A」
『真田くんっ…うん、うん…!』
「ほら泣くな、色々と台無しだぞ?」
「よしよし。ハンカチ貸すからこれで拭いて?」
『あり"がと"う"っ…』
「──失礼する」
その一声でハッと我にかえったような気がした
ジャンヌダルクの声だ…黒百合が来た。来てしまった
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a-ya(プロフ) - 私はこの作品が大好きです!もう更新されないのでしょうか…🥺 (10月15日 19時) (レス) @page26 id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
オタくん(プロフ) - なんか懐かしく感じます!更新待ってます!! (8月7日 14時) (レス) @page26 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
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