△105話 ページ15
武田くんがフラフラでも徳川くんは攻撃の手を緩めるつもりは無いのだろう。づかづかと武田くんに近付いていく
「──どうした?もう終わりか?」
「──戦は…ここからが面白れぇんだろ?……うりゃ!」
「──蚊よりも効かぬわ…ゴミが。燃やして灰にしたくれるわ」
「──…うりゃ!」
「──……おらっ!」
ずっと武田くんが徳川くんの足を集中的に蹴っていたけど、顔面を殴られてまた倒れてしまった
大丈夫だ…武田くんは強い まだ立てる…そう信じてる。そんな思いが通じたのか否か…武田くんがふらつきながらも立った
「──……"人は城 人は石垣 人は堀"」
「──なんだそれは?」
「あれは、武田信玄の有名な言葉…!」
『武田くん、頑張ってくれ…』
人の力こそ、最も信頼できる人の集まり…それは強固な城に匹敵する。武田くん…頑張れ、負けるな…
「──人は城、人は石垣、人は堀…!」
「──だから、なんだそれは!」
「──意味わかんねぇだろうなぁ。人をゴミ扱いするようなお前には…」
「──あぁ?」
「──家康、お前を見てると昔の俺を見ているようで同情するわ。なんて可哀想な人間だってなぁ」
「──俺が、可哀想な人間?」
「──あぁ、孤独で寂しい人間だ…俺はなぁ、アイツらに背中を押されたんだ!
勝てない相手を前にして足を震わせながら戦う姿に!誰かの為に戦う、その姿に!」
「──…ハッ!」
「──うぅっ!…人は一人では生きていはいけない…一人でいける場所などたかが知れている
それをアイツらから学んだんだ!人は剣でも盾でもない!人は城、人は石垣、人は堀…情けは心を繋ぐ
家康、それに気づけないお前は、負ける!」
「……武田ァ!魂燃やせ、ゴラァ!!」
『上杉くん…頑張れ、武田くん…』
「──うらぁぁぁー!!!」
武田くんの雄叫びと共に徳川くんの足に強烈な一撃がヒットした。その攻撃に流石の徳川くんも顔を歪ませていた
「──うぅ!…たとえ、一人になっても俺は倒れん!」
「──それでも、お前の負けは揺るがない!」
「──あぁっ!!」
徳川くんも強烈な一撃を武田くんに浴びせた。これにはフラフラだった武田くんも流石にダウンした
「武田ァ〜!!」
そして上杉くんの声が教室中に響いた。そうだよね…武田信玄のことは上杉謙信が一番よく知っているんだもんね…
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a-ya(プロフ) - 私はこの作品が大好きです!もう更新されないのでしょうか…🥺 (10月15日 19時) (レス) @page26 id: 672b289667 (このIDを非表示/違反報告)
オタくん(プロフ) - なんか懐かしく感じます!更新待ってます!! (8月7日 14時) (レス) @page26 id: 487a14ebf8 (このIDを非表示/違反報告)
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