藤色に染まれば【不死川実弥】 (ページ12)

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今日がその事件の日でAは墓参りに行っている＿＿＿

そう聞いて、向かう頃には日は沈み、辺は薄暗くなっていた。

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Aside

どこか自分と似ていると思っていた

誰にも話せないような辛い何かを抱え、
自分を犠牲にして一生懸命に何かを守ろうとしているそんな姿に自分を重ねていた。

最初はそれだけだった

しかし不器用な彼の優しさに触れるたびに日に日に想いは強くなっていった。

雨霧の家系は先祖代々鬼狩りの為の医者だった。
先祖代々子供を授かると母親は藤の花の毒を飲まなければならない

鬼が病院に入ってこない為、医者が鬼に襲われて、雨霧の血を絶やさない為である

その力が受け継がれたのは私だけ
そのため、髪は藤色に染まり、鬼のように日光に弱く、色素の薄い体になった

父と兄たちと私の5人での病院での暮らしは幸せだった
鬼狩り様は皆いい人ばかりで入院している人と話すのが私の日課だった。

あの日までは＿＿＿＿

ある日薬の調達に出掛けた父が夜遅くに帰ってきた。

しかしそれは父ではなく、
父の姿をした”鬼”だった。

医者が鬼には決してなってはいけない
病院にいる人は怪我人だけでいくら鬼狩り様でも戦う事ができない

鬼となった父親は目の前で屋敷にいる人全員を食い殺した

家族も

藤の花の毒のお陰で自分だけ助かった。
気づいたら目の前は血の海で体は鬼の爪でできた引っかき傷だらけだった。
身寄りがない私は先祖代々親交のあるお館様にひきとられた。

「鬼殺隊史上最も最悪な事件」

そう呼ばれた

何度もこの世から消えてしまいたいと思った。

責任を感じて、
父が殺してしまった隊士達の遺族に合わせる顔がなくて塞ぎ込んだ。

しかしこのままではいけないと思い、一人で病院を再開させた。

1人と隠で切り盛りしていたが胡蝶姉妹も協力したいといわれ、一緒に始めた。

カナエとは同い年でとても仲良くなれた
しのぶは本当の妹のようで可愛いかった

2人のおかげでここまでやれていた

それなのに＿＿＿＿＿