仮面をつけた夫婦

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貴女side

今頃健二郎は家かな？








手紙、呼んだかな？









実家でお世話になっている私。









妊婦だからってお母さんはなんでもやってくれるし、私はただ自分の部屋でボーッとするしかなかった。









やっぱり、思い浮かぶのはあなたのこと。









健二郎以上の人に出会ったのは本当だもんね。









人ってゆうか、子？









そう、このお腹にいる赤ちゃんの事。








ダンサーとして初の給料で買ってくれた婚約指輪も置いてきた。


ほんとは持ってきたかったけど、自分にケジメをつけるため。









おこってるかな〜？









ま、ないよね。









健二郎無視するほど私のこと嫌いだし。









むしろ、せいせいした？









なんか、それもそれで悲しいな…









手紙で最後だいすき"だった"と書いたのも自分にケジメをつけるため。








でも。




でもほんとは



やっぱり







｢…だいすきなのに。｣






あれ？



私ってこんなに弱かったっけ…？



私のつぶやきは誰の耳にも届かず消えた。

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