これは、余命宣告を受けた女の子のお話で。【今日から俺は！！】

No.38 ページ43

(咲良side)

〜公園〜


ブランコに揺られながら、紅野君に話しかける。

ブランコの理由？
それしか足を使わなくても済む物が無いんだ。ここには。


『あのさー、紅野君はなんで今日千葉(ここ)に来たの？』


紅野｢なんとなく｣


ブランコに揺られる私をじっと見つめながら即答する。

驚異のスピード。恐ろしい。
あとなんとなくって。


『私に会いに来てくれたとか？』


そう私が笑みを浮かべながら言うと、紅野君は笑った。



瞬間、結構勢いがついたブランコが後ろに行き、耳に風の音が入ってくる。

そのせいで、
紅野君が何か言っているのは分かったけど、その内容は聞き取れなかった。



でも、大体言ったことの察しはつく。



ブランコを飛び降りて、紅野君を見つめる。


『そーなんだ。...ありがとう』


こう言うと、紅野君は微笑んだ。


言ってたことは｢そうかもね｣だと思ったから、それが当たってたんだろう。

で、話が釣り合うわけだ。


紅野｢...早く帰らないと心配するぞ。親達...？が。｣

『一応親だよ。...じゃあ帰ろっかな〜』

紅野｢着いてくわ｣

『結構です』


そう断るも、
紅野君は｢じゃあ咲良の後ろからこっそり着いてくわ｣と笑顔でハッキリと言い放った。

本当にやるから怖いんだこれが。


こういう所がなければ本当にいい人なのになぁ...


『...捕まってしまえ』

紅野｢ひでぇ｣



勿論これが本心ではない。

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