これは、余命宣告を受けた女の子のお話で。【今日から俺は！！】

No.34(夢主過去編) ページ38

紅野がすごく重要人物(？)になってしまった。
-------------

8月25日


『あついー....』


雲ひとつない、
まさに水色の絵の具で塗りつぶしたかのような空を見上げながら呟く。



すると、私と横に並ぶように歩いていた紅野君が、私と同じように空を見上げた。

そして、一言こう言った。


紅野｢そう言うと余計暑くなるらしいね〜...｣



『まじか...。紅野君物知りだねぇ...』


私がこう言うと、紅野君は視線を空から私に移した。


紅野｢本当に謎なんだけどさ...｣


その言葉を合図にして、私も目線を紅野君に向ける。


紅野｢僕の名前のどこから紅野ってあだ名つけたの？｣

『白原の逆じゃん』


聞かれて1秒も経たないうちに答えると、紅野君はポカンとした顔をした。


むっ、意味が分かってないな。


『白の逆は赤。原は逆じゃないけど野原の野でしっくりくるから野。
でも｢赤野｣じゃ違和感あるから、紅にして紅野。』


私がこう自慢げに言うと、紅野は笑いだした。


...これはもはや大笑いだ。



『なっ...なんで笑うの！？』


私が聞くと、紅野君は笑いながら答える。


紅野｢あまりにも無茶苦茶だなぁ、ってさ！｣



そう言われた後の私の顔は、きっと赤く染っていたのであろう。

No.34(夢主過去編)→←No.33 (夢主過去編)

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す