No.29 ページ32
これで...
これでいいんだ。
軽く俯き、ゆっくりと歩きながら自分に言い聞かせる。
私が「大切な友達」のままだと、
私が死んだ時に、遥香の中での大きな悲しみが1つ増えてしまう。
それならもういっその事...
いっその事...。
「涙出てんぞ。女優サン。」
そう前から聞こえてきて、素早く目線を移す。
三橋「おめぇの演技はまだまだだなぁ。本当に。」
三橋君は目が合った途端に、そう言ってくる。
きっと...さっきの事をずっと見ていたのだろう。
三橋君にはなんでもお見通しなのか。
『これで...これできっと、遥香は悲しまないで済むよね。』
そう言って、私はまた俯く。
が、
すぐに両頬をつままれ、無理矢理正面を向かされた。
そして、三橋君とバッチリ目が合う。
...なんかデジャヴ...
三橋君は私と目が合うと同時に、手をぱっと離す。
そして、
「それは違う」
と一言言った。
その後に続けて、ゆっくりと喋り出した。
三橋「もしも、だぞ。こんな事は無いことを祈るが、今お前が急に倒れて、昏睡状態になったらどうする。
あいつには、お前が気遣っていた事を知っていたとしても、きっとなんらかの後悔が残るよな。
お前のことだ。どうせ「負担をかけるわけにはいかない」とか思ってんだろうが、今のままじゃあ高確率で逆効果になってんぞ。」
...本当に、すごい。
ここまで分かりやすく説明できる事もだけど、
第一に私の性格を、
こんな短期間でここまで見抜けること。
三橋「...1人で抱え込むな。たまには俺らも頼れ。
少なくとも俺と伊藤は何があろうが、お前の味方になってやるから」
そう言って、三橋君は優しく頭に手を乗せた。
『...うん...うん...』
涙で視界がぼやける。
分かって、くれた。
『もう、1人で抱え込まなくても、いいんだ。』
三橋「もうってなんだよ。元からそうだったっつーの。この馬鹿野郎」
本当に、この人は優しいな。
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アポロ - わぁ...!(´▽`) コメントありがとうございます! きのこたけのこ両方良いですよね!(* ´ ▽ ` *) 感動できる...!?良かったです!笑 更新頑張れます...。(´;ω;`) (2019年5月13日 13時) (レス) id: 89f365dd47 (このIDを非表示/違反報告)
れいな - 私はきのことたけのこ、迷えない派です!笑笑 この作品、ギャグがあるのに感動して、すごくいいと思いました!! 早く続きが見たいなぁ〜 次の作品、待ってます!! (2019年5月13日 1時) (レス) id: 8c9d53c597 (このIDを非表示/違反報告)
アポロ - 牧さんさん» どっちも美味しいのは分かります(*^^*) でもやっぱり人によって違うんですよねw わざわざコメントありがとうございます(*^^*) (2019年4月27日 21時) (レス) id: 89f365dd47 (このIDを非表示/違反報告)
アポロ - まろまかさん» おおっ! たけのこも美味しいですよね!(*´▽`*) わざわざコメントありがとうございます(*^^*) (2019年4月27日 21時) (レス) id: 89f365dd47 (このIDを非表示/違反報告)
牧さん - 私は、絶対たけのこ派です。 どっちも美味しいですよね! (2019年4月26日 16時) (レス) id: 66f0eb62d2 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:アポロ | 作成日時:2019年2月20日 17時