僕の兄は莉犬くん。

22 ページ23

『莉央にぃ！！』

り「おおっ、…！どうしたの？」

『あのね！校外学習のしおりの絵 描くことになった！！！』

り「え！すごいじゃん！この前は旗描いたんでしょ？」

『うん！せんせが、やってって！』

り「がんばれぇぇぇ！応援してるぞぉ((なでなで」

『(*´∀｀*)えへへ』

ーーーー
次の日上手くできて職員室に持っていこうとした。

『えぇと、…職員室…』

棗「ねぇ、」

『わっ、な、棗か。なに、？』

棗「それ、紙？」

『そう！校外学習のしおりの絵だよ。皆にしおりとして持ってもらえるのうれしいね、棗も持ってくれるしさ！』

棗「…は？本気で言ってんの？そんなん、みんな表紙も裏表紙も破くに決まってんじゃん。挿絵もぜんぶ。」

『あ、…そっか。でも先生には形上出さないとだから、…じゃあね、』

棗「だれもお前の絵なんか必要としてない。」

『わかってる。』

棗「じゃあなんで描くの」

『好きだから。頼まれたから。描かないといけないから。』

棗「…どうせ破かれるから。」

『いいよ。…もう、じゃあね。』



ｶﾞﾗｶﾞﾗｯ
『せんせー！かけました！』

先「おぉ、ありがとうなぁっ」
ーーーー







僕の絵が必要とされていない事くらい、分かってんだよ。









破かれてもいいから、




そこになくてもいいから








描いたという実感が欲しいんだ。









莉央にぃ。少し止まっちゃったかも。

22.5→←21

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す