本物の私【黒尾鉄郎】part5

本物２１２ ページ26

貴方Side


別室に居た監督たちもみんなに会わせ、明日にはもう帰れる。

準備も整っているし、飛行機も出ている。


カルマ「A。こんな事言うのもなんだけど、本当によかったの？」

貴方「…本当に良かったかって言われると、それは分からない。」

カルマ「そっか。後悔はしない？」

貴方「分かんない。でも、自分で選んだ道だ。責任もってしっかり歩むつもり。」


空を見上げて、私は言った。

この先の未来、平和で生きていけるなんて事は思っていない。

山あり谷ありだろう。

でも、光を選んだのは私だ。


渚「A、変わったね。」

貴方「そう？」

茅野「変わったよ！前よりずっと明るくなった。」

貴方「そうかな？」

渚「うん。」

貴方「そっか。」


私、変わったのか。


翼「姐様。」

貴方「ん？皆してどうした？」

炉射「姐様、明日にはいなくなっちまうだろ。」

貴方「…そうだね。」


みるだけでも分かってしまう。

あぁ、こんなの分かんなきゃいいのに。

みんなが、寂しがってる。

嬉しい気持ち半分、罪悪感半分。

私が殺し屋の道に導いたと言っても過言ではないのに。

私がその世界からいなくなるなんて、やっぱりずるいかな。


加奈「正直言うと私達、姐様がいなくなるなんて寂しくて仕方ありません！」

奈々「私達を、こんな形でだけど救ってくれて、お母さんみたいな人だった。」

天馬「姐様と居ると、楽しかった。」

貴也「姐様が、世界の事教えてくれた。」


目に涙をためながらそう言ってくる私の１７人の弟子達。


貴方「…ごめんね。こんな、殺し屋の世界に引きずり込んでしまって。」

音波「その事は全然いいんですよ！」

貴方「え？」

蘭果「私達、殺し屋になった事、一ミリも後悔してませんわ！」

研輔「逆に、殺し屋になれてよかった。」


よかった？

殺し屋は、決して幸せな仕事じゃない。

裏社会は、決して幸せな世界ではない。

でも、そんな世界でも、この子たちは楽しいと…


１７人「姐様に会えてよかったです！！」


私に会えてよかったと、楽しかったと言ってくれる。


貴方「う、うぅ…。」


気付いたら、私の目からは大量の水が流れ落ちていた。


貴方「ありがとう！」


本当、私って幸せ者だ。

ここに生まれて、この子たちに出会えて、よかった。

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新作？です。

よかったら見てください！


また明日って【ハイキュー】

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