本物の私【黒尾鉄郎】

本物３７ ページ39

黒尾side

少し、様子を見ようと思って皆で見に行っただけだった。




見に行っただけなのに。どうしてこんな…こんな事になってしまったんだろう。




あいつが、Aが、新人マネの琴石舞南に、水をかけた。




夜久「あいつ！！何で！」




灰羽「まっまだ、そうと決まった訳じゃないですよ！」




黒尾「あぁ、もうちょっと様子を。」




貴方「あんた、うざい。何勝手に入ってきちゃってんの？」




舞南「あの、わっ私…」




貴方「ここは、私のお城なの。邪魔しないで！」




あんなのは、Aじゃねえ。あんなAみたことねえ。




Aは、ポケットからカッターを取り出し、琴石に向かって振りかざした。




黒尾「何やってんだ！」




貴方「あぁ、見てたの？バレちゃったか。」




なんだこいつ。Aじゃねえみてーだ。こいつ、誰だ。




灰羽「どういうことッスカ…先輩。」




いつもうるせーリエーフが、すごく静かに聞いていた。




貴方「あんたたち、本当に馬鹿。ずっと、気付かなかったわけ？笑えるんだけど。」




そう言ったAの顔は、笑っていなかった。




犬岡「先輩？嘘ですよね？」




黒尾「こんなの、俺の知ってるAじゃねえ。」




貴方「これが私だよ。今までの私は全部嘘。」




どういうことだよ。何で、どうして。




貴方「クロ。私…あんたのこと好きじゃないから。」




やめろ。




貴方「ってか、利用してただけだし。」




嘘っていってくれ。




貴方「まぁ、イケメンだったし。」




何でだよ。




貴方「バレー部ってイケメン多いじゃん。」




そんな理由で




貴方「だから、あんたを利用したってわけ。」




ずっと、マネやってたのかよ。




貴方「あっさりだまされてくれたよね。」




違うっていってくれ。




貴方「もうバレちゃったし…」




聞きたくねえ。




貴方「あんたにはもう用はないし。」




言うな、やめろ！




貴方「別れてよ。」




何で、何でだよ。

どうしちまったんだよ。A

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