本物の私【黒尾鉄郎】part4

本物１７６ ページ37

黒尾Side




貴方「もう迎えが来てる。私についてきて。あ、その前に。」




そう言うとAは俺に仮面を渡してきた。




黒尾「え？」




貴方「全員に配るから。」




それを言うと、全員に仮面を配った。




歩きながら後ろを向くと、皆仮面を着けていた。




貴方「クロ。堂々と歩いて。」




黒尾「あ、お、おう。」




俺は言われた通り、背筋を伸ばして堂々と歩く。




なんか、すげぇ緊張してきた。




慣れないスーツに知らない場所。




結構ドキドキするな。




外に出ると、一組に一台あるんだろうな。




黒いでかい車がたくさんあった。




黒服「こんばんわ。一組に一台ありますので乗ってください。」




貴方「ありがとう。」




黒服「あ、死神様とそのお連れ様は先頭にある車に乗ってください。」




貴方「分かりました。行くよ、クロ。」




黒尾「おう。」




何十台かリムジンを通りすぎていくと、一番大きなリムジンがあった。




貴方「大きいわね。まぁいいわ。」




俺とAはリムジンに乗った。




リムジンの中は本当に豪華だった。




飲み物に食い物、テレビまで置いてある。




貴方「豪華だなぁ。」




そう言ってAはグミを手に取り、食べた。




食っていいのかよ！！




貴方「食べても大丈夫。落ち着いて食べたら？」




黒尾「じゃぁ…。」




俺も、グミを手に取り食べた。




普通に美味い。




貴方「クロ。ここから先、私の事は死神さんって呼んで。」




黒尾「死神さん？」




貴方「名前は呼んじゃ駄目。それから、敬語で。勿論、私以外の人達の事もね。」




黒尾「分かった。」




これから先は死神さんか…。




なんだか、距離を感じる。




貴方「そのスーツ。私が選んだの。」




黒尾「え？」




貴方「やっぱり、似合ってる。」




そう言ってAは、照れながら笑った。




反則だ。




ドレスを着ていて、凄い綺麗で可愛いのに




照れながら似合ってるとか…




黒尾「A…死神さんも、似合ってますよ。」




死神さん呼びと、敬語さえなければ最高なんだけどな…。

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