9月･参拾【慶次】 ページ36
慶次視点
叔父貴とAが一着、二着に隆景、三着に蘭丸という結果で借り物競走は終了し、東軍有利なまま進んでいく。
次の競技は障害物競走…年々障害も厄介なものになるし避けることなんか出来なくなってきてるからな。流石に怪我人が出るかもしれねぇ…
さて、どうなるか…各軍の代表3名が一気にスタートしていくのを遠目で見る。まず、足の速さに自慢のある豊久と直政が言い合いしながら網をくぐっていく。だが、
「うわっ、この網重くなってる！」
「成程、先に進むにつれて重くなる作りか…クッ、這いつくばっている背に網が…!!」
「なら、ここは俺が」
匍匐前進で網の中を進む2人の話に作りのわかった後の7人は、前の2人と高虎に第一の障害を任せて先に進む。
次に油を塗った平均台の上を渡り、追いついてきた3人が合流してムカデ競争で進み、折り返しのパン食いを済ませ、落とし穴(信玄作)だらけの道を進み、横から竹刀が飛び出してくるコースを抜けてゴールする。
怪我人はなく、結果はゴール手前で言い合いしながら仲良く転んだ豊久と直政が同時で2位、1位は気配を消して進んでいた吉継がゴールして南軍の勝利に終わった。
次は何だかんだ盛り上がる二人三脚、今回は前回よりも息の合うペアが多く中々の接戦だった。1着は浅井･織田組、2着は石田･島組、3着は伊達･片倉組…三成と政宗の言い合いは聞いてて面白かったけどねぇ。
そして、最終種目の騎馬戦…殆ど主力全員参加だが人数が合わないのと、諸々の理由でAは応援席で少し大きい学ランを羽織り、青い鉢巻を額に巻いて応援の準備をしている。
「官兵衛殿撮りすぎじゃない？後で俺にも送ってよ」
「仕事場での癒しだ。既に送った」
と、Aに向けたカメラのシャッター音と似たような会話が会場のそこかしこで聞こえてくると、忠勝の法螺貝が響き渡り騎馬戦が始まる。
中々いい試合で、中盤まで勝負の進み具合は停滞していたがAの応援を受けた東軍(一部他軍も)が有利になり、どんどん騎馬が崩れていく。
結局、騎馬戦は1位･東軍、2位･西軍、3位･南軍で幕を閉じた…これなら俺も参加したかったねぇ！
総合は1位･東軍、2位･南軍、3位･西軍となり優勝賞品として東軍には図書カード1000円分が配られ、開式と同じ忠勝のマイク要らずボイスで閉式となった…
【面倒くさ…ｹﾞﾌﾝｹﾞﾌﾝ。事情でゴリ押しに】
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