七話 ページ8
仁王「……」
真田に殴られた。すぐにそれは分かった
頬をおさえながら、俺は
演技をした
幸村のために
もしかしたら、幸村が自分があんな話をしたせいでって自分を責めているかもしれない
いや、
幸村「っ…」
しているだろう。きっと
幸村は悪くない。悪いのは弱い俺だ
柳「俺が分かるか。仁王」
俺の前でしゃがみ、見つめてくる
仁王「参謀じゃろ?それがどうしたんじゃ!それになんで殴られないけんナリ!!」
忘れてしまっている自分を演じる
俺にかかれば楽勝ぜよ
ふっと、誰にもわからないように笑うと俺は立ち上がった
仁王「それで、放課後じゃったかのう」
自然に、自然に
幸村「…に、おう?」
かなり思い詰めた表情で俺の名を呼んだ
もうそんな表情はせんでいい
いつも通りの幸村に戻ってくれ
仁王「なんじゃい、幸村。そんな変な顔して」
俺がそう言うと、一瞬驚いたような表情を見せたあと下を向いた
柳「…冷やすものを持ってこよう」
_"Aが生きているとは考えなかったの?"_
あの時の幸村の言葉がリピートされる
考えるわけなかろう、が
目の前で、俺の腕の中で、Aは__
仁王「ありがとな」
柳にお礼を言うと、柳はふっと笑い部室を出ていった
俺は笑顔を作れていたじゃろうか
なんでじゃろな、生きているかもしれないって話を聞いたら普通は喜ぶじゃろうに
なんで俺はこんなにも辛いんじゃろうか
なんで……っ
真田「む、何処へ行く。仁王」
仁王「トイレじゃよ。なんじゃついてくるんか?」
少し外の空気がすいたいと思い俺はとっさに嘘をついた
柳生「ええ。ついていきたいですね」
仁王「はぁ!?」
柳生「誤解しないでください。偶然、仁王くんと同じタイミングだったというだけですので」
ここで断っても、不自然じゃろうし
仁王「はぁ、仕方ないナリ」
それに、どうせコイツは気づいとる
柳生に__
柳生「ありがとうございます」
ペテンは効かない
ほんとこういうとき面倒じゃ
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作者名:けさし☆ | 作成日時:2021年4月2日 16時