四話(NGあり) ページ5
仁王｢……｣
退屈でつまらないホームルーム
俺は席が一番後ろなのをいいことに、ポケットからある物を取り出した
小さな手作りの御守り
さっき柳から受け取った。これは……
Aのだ。証拠にAのイニシャルが御守りに縫ってある
そう…あれは、2年前
＿＿
＿＿＿＿
｢テニス部に入ったんだって!?雅くん!｣
仁王｢まあ｣
A｢立海のテニス部って強豪で一軍になるの難しいらしいじゃん｣
仁王｢らしいな｣
A｢ということで、A様がプレゼント｣
仁王｢御守り?｣
A｢そう!これにはね。一軍になれますようにって願いを込めたんだ!｣
仁王｢ははっ、そうか｣
＿＿
A｢え?私に?｣
仁王｢ああ。昨日のお返しじゃ｣
A｢嬉しい!なんて願い込めてくれたの?｣
仁王｢あー、作るのに必死で忘れとったわ｣
A｢えー!御守りの意味無いじゃん!｣
仁王｢冗談じゃよ。いつか教えちゃる｣
A｢約束だよー｣
仁王｢はいはい｣
＿＿
＿＿＿＿＿
仁王｢……｣
昔の事を思い出しながら、俺は御守りを見つめた
よく見ると、破けたのか縫い直した跡がある。かなり使い込んでいるようじゃ
柳は、草むらに落ちていた。と、言っていた
知らない間にAが無くしていて、２年経っててたまたま見つかった?
いやそれは無いじゃろ
だとしたら…Aが
いや、Aは死んだ。俺のせいで
＿"Aっ!!……っ!A!!"＿
あの日の光景が頭を過ぎる。
何処かで救急車のサイレン音が聞こえた
仁王｢…っ｣
グッと御守りを握りしめた
Aの両親もAが死んだショックで引っ越したと聞いた
だとしたら誰が…誰が…誰が
考えても考えても答えは出なかった
とにかく、確実なのはこの御守りはAと深い関係にある人物だということ
だとしたら俺は、そいつに会うしかない
＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿＿
NG1
A｢雅くん!テニスびゅ…に、入ったんだって!?｣
仁王｢噛んだのを何事も無かったように進めるな｣
A｢お?｣
仁王｢お、じゃないわい｣
A｢あはは、バレちった｣
仁王｢ほら、もっかいじゃ｣
A｢はーい｣
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作者名：けさし☆ | 作成日時：2021年4月2日 16時
